セブンス・ブルー #1

どこまでも青い海・リア要約


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冒険その1 E2「冒険旅行は、危険がいっぱい」
担当:秋芳美希マスター

 セブンス・ブルーの入り口のビギニンゲートでは、このエリアを統括するベーグッド・アルセブン伯爵の孫娘フィオリナが多くの冒険者に声をかけ、また、かけられていた。フィオリナは内海を巡る観光船メリーフラワー号に乗ることになっており、船内でも多くの人に囲まれ楽しい時を過ごす。しかし話の内容からは彼女の主体性のなさがうかがえる面があった。また、その船を見る老占い師は「水難の相がある」とつぶやきつつ、立ち去っていく。

 メリーフラワー号には小舟で海賊行為を仕掛けて相手にもならず撤退するものがあったりはしたが、穏やかな航海を続けていた。だが、占い師の言葉を聞いた者が「怪しいもの」に攻撃を仕掛けた結果として外壁に穴があき、さらに突風によりバランスを崩した船は外海へと流されてしまう。途中で出会った小さな漁船に負傷者を受け入れてもらいはしたものの、潮流に乗って進んだ船は「未知の島」へと漂着する。

 一方「グレート・ヒーローズ・ベイ」に集まった冒険者たちはエリアを統括するロッド・ファルコンの説明を受けていた。しかし演出にこだわる彼の言葉を最後まで聞くことなく冒険者たちは「未知の島」へと突進して行き、あとには黄昏るロッドが残ったのだった。

 「未知の島」は強いものが統治する「パオラ」であり、現在の統治者はレト・レアノという大柄な女性である。その彼女を1ヵ月以内に倒さねば、捕えられたフィオリナは「パオラの男」の愛人にされるという。そのフィオリナは、レトやパオラの住人たちの眼が苦しそうだと感じていた。

 そしてビギニンゲートではフィオリナの父、シンプリーが大騒ぎし、フィオリナの救出に100万ブランの賞金をかける。またロッドもメリーフラワーの遭難とフィオリナ探索依頼の報を受けていたがそれにはほとんど興味を示さず、島に眠るであろうエンブレムに自らの妄想をかきたてていた。


☆今回の登場シーン:抜粋☆

 ラーラに感心するフィオリナに、タラップを登って来た眼鏡をした少女が声をかける。
「あら、フィオリナさんとおっしゃるんですか。いいお名前ですね。こちらはラーラさんとおっしゃるんですか。可愛らしいお名前ですわ。ねぇ、よろしかったら、あちらでお茶でもご一緒しませんこと? みんな」お友達になりましょうよ」
 ロングウェーブのサイドに小さなリボンをつけた少女は、フィーア・ラロック。まだ11歳の少女だった。そんな二人に囲まれて、フィオリナは声をつまらせる。
「……セブンス・ブルーって素敵ですね。私、屋敷を出たばかりなのに、お友達がたくさんできました……」

−中略−

 心配するフィオリナに、彼は陽気に言う。
「ま、今度船が沈没しそうになったら起こしてくれ。巨大海亀にでもなってやるぜ。オレは死ぬ時はベッドの上でって決めてるんだ。それ以外はごめんだな……」
 言いながらマリンは、フィオリナの肩に頭を乗せて船を漕ぎ始める。そんなマリンの肩に、タオルをそっと掛けたのはフィーア。そして、捜して来たストーブを彼の側に置いたのはカクラだった。

 そういうことでフィーアはフィオリナとお茶してました。上の間にもちょっと出てます。しかし値段の割には要素が濃いですね。けっこう要約が長くなっちゃいました。

2001,03,01
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冒険その2 E1「冒険旅行は、危険がいっぱい」
担当:秋芳美希マスター

 「未知の島」は海軍の暗躍により冒険の舞台となった。海軍大佐ロッド・ファルコンは「貴重な物」があると思っているようだが、それが具体的には何であるか知る者はいないようだ。

 島で真水を探していたものは、水をめぐって「パオラの民」の「勇者」たちと争いになってしまう。水はこの島の者にも貴重な物であったのだ。

 力によりパオラの統治者となったレトに挑戦する事を選んだものは、それ故にパオラの民に歓迎されていた。彼らは鋼鉄の船をも切り裂く巨大な角を持つ「海の王者」ノコ・フィッシュを主食としており、それを倒せる物が「勇者」として尊敬を受けるという土台があるようだ。

 捕われているフィオリナを解放するべくレトに挑戦しようという者は、条件として「勇者」となるか、すでに「勇者」となっているものに勝つかが求められた。

 その条件を満たしたものを、レトは次々と撃破していく。だが、やがて一人の者がレトを打ち倒した。負けを認めたレトは、つけていたピアスを勝者に与える。それについていた紋章(レトは”ヤクヤクのエンブレム”と呼んでいた)はパオラの民との会話を可能とする。新たな統治者は「自由」を掲げるが、そもそも彼らに存在しない概念までは通訳しきれないようだ。

 そしてレトは「冒険者」として再出発することとなった。初冒険となるのは、逃げ出したもののパオラの民と間違われて誘拐されたフィオリナの救出となる。行く先は、現在「緑目のヘビ」に国を荒らされている「小人の国」だ。

 一方、事態を見守っていた海軍大佐の妹ロリス・ファルコンは状況を兄へと報告し、大佐はパオラの新統治者に開港を要求して砲口を向けた。


☆今回の登場シーン:抜粋☆

「あたいは習慣まで干渉しないだけさ。おう、他にあたいと話のしたい奴はいるかい? 『パオラの勇者』は、ハンパじやなく強いぜ。死なないうちに聞いといてやるよ」
 それを言いながらレトは、自分の耳のピアスを外す。その様子を不思議に思うものの、一番に話かけたのは、眼鏡少女フィーアだった。
「あの、レトお姉様。他の人には戦う機会を与えて、フィオリナさんに認めないのは不公平ですわ」
「……フィオリナ?」
「海に投げ出された人ですわ! 有無を言わさずどなたかの”愛人”にするだなんて、強い人のする事じゃありませんわ!」
 激昂するフィーアの後ろから、ピンクの髪をしたキララが唸る。
「う〜ん。じゃ、あたしもキミに直撃インタビューよ♪ここで何をしようとしてるの?」
 グーにした手を、レトの口元で横にするキララは、レトと同じ紅い瞳を持っていた。
「面白い奴らだな。あたいは、別に何も目的はない……聞かれる事を決めてるだけさ」
「ならアルセブン伯爵の孫娘”愛人問題”も、ただ聞かれたダケなの??」
 キララの言棄に、レトは拉致した少女の名前を思い出す。
「はははは。あのガキは、超大物のガキだったのか」
 納得したレトは、フィーアとキララの顔を覗き込む。
「だがな。このパオラじゃあ、何の価値もないガキさ」

 今回こちらは戦闘シーンが多いので要約は短くなってます。「PCにしか関係ない事柄は切り捨てる」というのが要約方針ですので、結果だけ。

 さて、結果ですがさすがに意図した結果「レト対フィオリナ」の直接対決はなりませんでした。第1回のリアでフィオリナが主体性にまるで欠けてる様子を見せていたので「自分で動いてみろ」というつもりだったのですが、この事件の裏で助けられているようです。

2001,03,24
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冒険その3 E2「明日はどっちだ!?」
担当:秋芳美希マスター

 「未知の島」には「オァイーヴ島」と名がついた。その島のパオラ族は「力こそすべて」の文化をもち、前統治者レトを打ち倒した冒険者は新たな統治者となり、冒険者となったレトを「小人の国」へと送り出す。

 地下にあるという「小人の国」の入り口に向かう途中にはクチバシに毒をもつ「スズメドリ」の大群に襲われる。その量には苦労してケガ人も出たが、なんとか入り口の穴に辿り着く。

 その小さな穴の周囲に触れたものは「チビチビのエンブレム」が貼りつき、中に入ることができた。そして通路を抜けた先にいたのはレトと因縁浅からぬディーオ・スマリタだった。「二度と顔を見たくなかった」というレトに対し、その目を切り裂く。

 そしてアルセブン伯爵の娘であるフィオリナの存在を知ったディーオは、その賞金ではなく、それ以上の身代金を狙って行動を開始した。


☆今回の登場シーン:抜粋☆

「おう。用意はいいのか? 会いたい奴がいるなら、今のうちに別れを惜しんどけよ」
 レトの言葉に、一同から不満の声が上がる。その中で、一人平然とした顔をしていたのは、フィーア・ラロック。金髪のロングウェーブの両サイドにリボンをつけた眼鏡少女だった。わずか11才のフィーアは言う。
「レトお姉様は、島の中に向かうんですわよね。冒険で重要なのは、その過程ですわ」
「いい事言うねぇ。その通りだぜ。冒険てのは危ないモンだ! とにかく今のうちに会いたい奴に会っとけよ!」

 やっぱり戦闘シーンが多くて要約は短いです。あと、2本に分かれてるリアを集めた方がいいというか、集めないと判りづらいかも。あとは期間が短いせいか、展開が早い印象です。

2001,04,23
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冒険その4 E1「激闘の明日!?」
担当:秋芳美希マスター

 オァイーヴ島の奥地の「小人の国」ヘルンには、海賊時代のレト・レアノを海に沈めた男、「元山賊の海賊」ディーオ・スマリタが先に到着し、暴れていた。彼はレトの目に刃を走らせ、その命と「アルセブン伯爵の孫娘」フィオリナとの交換を要求した。音波を操る「キンキンのエンブレム」を使い冒険者を苦しめるディーオは、幼い少女に対してだけは態度が違っていた。

 冒険者達の治療を受けるレトは、ヘルンの長老に「石」を借りてきて欲しいと頼む。また、何か案があるようで「ディーオを陸地へ引っ張り出してくれ」ともいう。

 ディーオは「海の恐竜」ガメールを操り、その口からの火炎で冒険者達もてあそぼうとする。その頃レトには「石」が届けられたが、それに気がついたディーオは再びレトに剣を突き立てる。重傷を負ったレトは命は助かったが、次に気がついた時には記憶が消えていた。

 ディーオのペットであるサルは、バナナにつられて冒険者達に囚われの身となった。それを追って海中に向かったディーオは、そこで待ち受けていた者がレトから受け取った「エンブパレラの石」で力を増幅した「ブクブクのエンブレム」の浮力で急浮上し、地上へと押し上げられる。そして音波を相殺されたディーオは敗れ、ガメールは落ち着きを取り戻した。

 ヘルンの国の長老は、自分たちの持つ遺産は人に渡すことはできないという。「エンブパレラの石」も回収された。替わりにというわけでもないが、結界を作る「キプキプのエンブレム」に触れることで「禁足の森」へと入る手段なら渡すことができる。だが、崩壊した遺跡エンブパレラは彼らにも何が起こるか分からない場所である。

 フィオリナはある家の中で発見された。弱々しく笑うフィオリナからは「言葉」が失われているようだ。


☆今回の登場シーン:抜粋☆

 溜め息をつくレトの立つ地面が、不意に柔らかくなる。
「レトお姉様。少し横になって下さいな。わたし、レトお姉様が強くなくなっても、助けてさしあげますわよ」
 言ったのは、11才の眼鏡少女フィーア・ラロック。
「フィーアか?ここは危ねぇ。あたいの側に来ちゃいけねぇぜ」
 そのフィーアは、レトが横になるのを見届けると、
「わたしは、薬草を探して来て治療しましょう。ヘルンに行って参りますわ」
 と、急いで走り出そうとする、その時だった。レトの側に、オウムに乗った小さな美少女が現れる。3カッダサイズになっている『パオラの覇者』シャロン・マルヴァラートである。“小人の国”を偵察していたシャロンは、傷ついたレトを見つけると、レトの上に飛び移る。
 “レトちゃん!! 大丈夫!? 今助けるからぁ”
「!この声は、シャロンか!? すまねえ、今はあたいの事よりも……あんたに頼みたい事がある!」
 目の見えないレトは、必死でシャロンのオウムの羽ばたきを耳で確認する。
「ヘルンの長老に、“石”を貨してもらって来てくれねえか……?「レトが必要だと言っていた」と伝えてくれ。シャロン、あんたなら長老も信用してくれる」
 レトの言葉にシャロンが困感していると、フィーアが言う。
「レトお姉様には何か考えがあるようですわ。レトお姉様の体は、今はアレンさんに任せましょう」  “うん、わかったあ。レトちやん、死んじゃやだよぉ”
 シャロンの心配に、レトは親指を立てて笑う。
「あたいは、殺されたって死なねえよ。体験済みだぜ」

中略

「お遊びは,終わりだ」
 ディーオのキンキンのエンブレムが強く閃き、置き土産とばかりにレトの鼓膜へ音響爆弾を放っていた。
「……ぐぁ……」
 その瞬間、レトの耳から赤い鮮血がしたたる。
「後悔は、死んでからするといい」
 ガメールに乗ったディーオが、海に飛び込んだ冒険者たちを追う。その中で、理性のブチキレたディーオの肩から、『そこまで付き合ってられないわ』と、飛び下りる少女がいた。そんな彼女は、当初の目的どおりフィオリナの元へと向かっていた。
 一方、血溜まりに沈むレトの回りには、彼女を心配する冒険者たちが集まって来る。
「ああ……こんなに出血があっては……この薬草では効きませんわ」
 と、蒼白になるのは、ヘルンから眼の薬草を取って来た眼鏡少女。“植知の達人”フィーアだった。一方、
「レトちゃん!! 死なないって言ったんだからぁ!死んじゃやだあ!!!」
 レトの体をつかんで叫ぶのは、肩が大きく開いた服を着る可憐な少女。優しき『パオラの覇者』シャロンだった。そんな中、命を失おうとしているレトの命をつなぎ止めようと、声を上げたのは野性的な少年“動知の達人”リックスだった。
「今度は、僕達がレトさんの力になる番だ!キュアキュアを持っている奴は、力を貧してくれ!!」


 ちょっと情報が多いかとも思いますが、事件自体は一応一区切り付いています。次回はヒキはたくさんあるけどオシはないという感じですか。

2001,05,28
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冒険その5 E1「たまにはのんびりしたいぜ」
担当:秋芳美希マスター

 「元山賊の海賊」ディーオ・スマリタの恐怖から解放された「小人の国」ヘルンにはアルセブン伯爵の孫娘、フィオリナがいた。惨劇の恐怖により声を失った彼女だが、周囲の者の気配りに次第に心を開き、ある者のプロポーズに思わず声をあげた。

 記憶を失った、元パオラの統治者レトであるが、彼女もまた周囲の者の、やや強引な気配りを受けていた。記憶はまだ戻らないが、身に付いていた体術と気さくな性格は取り戻した。

 パオラには迫る危険を察知したもの達が訪れ、少女たちをメリーフラワー号に避難させた。その後パオラを制圧した、やはり元パオラの統治者であったダルンは非常に悔しがったという。

 レトを打倒して「パオラの統治者」となっていた者はダルンと勝負して敗れたわけではない。そのためパオラの者たちには今でもダルンを統治者と認めないものも多かった。そして現統治者の帰還でダルンは敗れ、別の部落へ立ち去る。

 落ち着きを取り戻したパオラには軍のセブンス・ブルー管区指令ルグレ・バシアンス少佐が来訪した。オァイーヴ代表としてのパオラ統治者と握手を交わしたルグレ少将は、司令官ロッド・ファルコン大佐にもねぎらいの言葉をかけて帰っていった。

 その後、ディーオのペットであった「サル」と「緑目のヘビ」をロッドの元に持ち込んだものがいる。交渉した末にそれを引き取ったロッドは「緑目のヘビ」に操られて、左回りの卍型エンブレムをコピーし、オァイーヴ一体にバラ撒いていく。それは島の動物や意識にも影響し、ヘルンの長老は「地に足をつけるとアクアクの影響がでてしまう」と警告を発した。


☆今回の登場シーン:抜粋☆

「ねえ、レトちゃん。レトちゃんは、パオラっていう所の偉い人だったの……覚えてる?」
 ハープの音を弾かせながら、シャロンはゆったりと語る。しかしレトは、ただ首を振るばかりだった。そのレトの鼻先に向かって、拳を使う少女がいた。
「レトお姉さま。記憶がなくっても生きていかなきゃいけないんですのよ!」
 と、喝を入れようとしたのは格闘少女の“植知の達人”フィーア・ラロックだった。ドレスをひるがえして繰り出すフィーア。その事を、止めた青年がいた。
「メガネっ娘!まだ格闘ができるほど、レトの傷は直ってないぜ」
 ディーオとの戦いで、重い傷を負ったレトを助けた“優しき戦士”アレン・フォスターだった。
「まだ、体が十分馴染んでないんだ。体練だって、急いじゃいけない。失ったものを戻すには時間は必要だよ」
「でも、ずっと誰かに頼りっぱなしというわけにはいきませんでしょ?」
 それてなくてもレトの経歴故に敵が多かったのだ。次は誰がやってきてもおかしくなかった。
「せめて、レトお姉さまには、身を守る技術くらいは持っていてもらわなくてはいけませんわ」

中略

「鉄は、熱いうちに叩くべきなのですわ!」
 と、仲間の剣を抜き取り、レトに斬り掛かったのは、フィーアだった。フィーアは、最悪でも怪我をさせないようにと、グニャグニャで剣を柔らかくしていた。そのフィーアの剣がレトに決まる瞬間、剣が青い空に舞う。
「は、そんなんじや、虫が止まるぜ!!」
 砂浜では、レトの鉄脚が回っていた。
「フィーアさんのショック療法……成功かな?」
 そんなリックスに、レトが笑う。
「……うだうだ悩んだって、あたいはあたいだ。昔のあたいがどんな奴だったかは、みんなが知ってる」
 そのレトが、紅い瞳を閉じると、皆に右手を差し出す。
「改めてよろしく頼むぜ。 あたいは、レトってんだよな」


 最終回前にエピローグ気味。まあ最終回を後日談だけに使うのもなんだし、これはこれでいいかと。

2001,07,02
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冒険その6 E2「極楽気分でGO! GO! GO!」
担当:秋芳美希マスター

 オァイーヴ島は今、「緑目のヘビ」の持つ「左回りの卍型」のエンブレム「アクアク」のコピーがバラ撒かれ、島そのものに影響が出はじめていた。その地面に足をつけた者はアクアクの影響を受けてしまう。

 アルセブン伯爵の孫娘フィオリナはその影響を受け、今までで一番恐ろしかった「緑目のヘビ」の幻影に怯える。ウハウハの力で強引に楽しい気分にさせているが、根本的な解決にはなっていない。

 ヘルンの人々にも影響が出はじめ、彼らの「一番悪い事」である泥棒行為が大量に発生し、まだ影響を受けていない者は衝撃を受ける。エンブレムを持つものは、ある者は鳥となり、ある者は人々を小さくしてそれに乗せと連携して地に足をつけないように避難させて行く。

 ヘルンの長老はキプキプのエンブレム付きの「遺産」を託し、発動前には「悪いこと」をしてしまった人々に皆に「許し」の力を与えてからにしてくれと頼む。

 そして「強いイメージする力」でヘルンの崩壊を食い止めた後、フィオリナ達はパーティーを開いて喜びあった。一度家に戻ることにしたフィオリナを送り届けた者達10名は、賞金の100万ブランを分割して受けとることになる。

 一方、元・パオラの統治者であるレト達は、彼らにとって最大の禁忌である「殺し合い」をしていたパオラの民を救おうとしていた。「禁足の森」から持ち帰った「右回りの卍型エンブレム」の付いた遺産を手に入れていたものは、その力で影響を中和していく。レトの記憶も、精神に作用するエンブレムの力で戻っていた。ダルンの残党をレト達が食い止めている間に、そのエンブレム「ゼンゼン」を集めた「アクアク」と重ねる事で消滅させた。

 そしてパオラでは「迷惑をかけたお詫び」とアクアクをバラ撒いてしまった海軍の者達が置いていった酒で宴会が行なわれた。酒を知らなかったパオラの民には一気に飲んで倒れるものが続出したりもしたが、宴会は大いに盛り上がった。


☆今回の登場シーン:抜粋☆

「誰かパタパタか、フワフワを持っている奴はいないか? 地面から離れると、頭痛が収まるみたいだ!」
「なら、わたしですわね」
 言ったフィーアが、フワフワの力でシャロンとスフレの体と地面の間に空気の層を作る。
「あれ?頭痛が直ったよお」「ほんまや」
 こうした様子を見ていたレトは言う。
「シャロン、スフレ。すまねえ。あんたたちは、この先に行けねえみたいだ」

中略

 スフレと握手を交したレトはフィーアに振り向く。
「フィーア、すまねえ。二人を頼んだぜ」
「後は任せて下さいませ。できれば早く、この“負の感情”が消滅するのを祈ってますわ」
 そんなフィーアに親指を上げると、レトはレオンと鳥のアレンと共にパオラを目指してスピードを上げて行った。

中略

 キュアキュアを手に、民たちの間を駆け回るのはアレンとリックス。そんな二人に、レトは呼び掛ける。
「頑張れよ。二人の分は、あたいが飲んどいてやるさ!」
 そんなレトを怒るのは、眼鏡少女フィーア。
「まったく、それじゃあ可哀想ですわ。そもそもレトお姉さまは状況判断が……」
 と話が長くなるフィーアは、どうやら“怒り上戸”らしかった。そんなフィーアの頭を引き寄せて、レトがフィーアの杯に酒を注ぐ。
「悪い悪い。フィーア。あんたには助かったぜ。またあんたも冒険に行くかい?」


 そういうことでレトの仲間と認められての最終回です。最初はフィオリナと「お友達」になって恋愛話でもと思ってたけど、プレイヤーとしても「塔の中の姫君」より「武装戦闘美女」(エルスウェア「狗狼伝承」のキャラクター類型より)の方が好みということでこちらに乗り換えました。この類型で言うと、フィーアは「幼い後継者」か「魔法使いの弟子」あたりかな。

2001,08,02
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