ヴァ・ジャーマ 旅の記録 その8


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 「セロー」の名前をめぐっての勝負は寒中水泳大会になっちまった。7月とはいえ肌寒いし、なんといっても氷河まで行くっていうんだからいいけどよ。

 おぃらは参加者目当てにして豚汁作って売ろうと思ったんだが、ライバルも多かったな。無料でシチュー配給しようって奴等までいるんだから。まあ、なんとか収支はプラスになったからいっか。やっぱりみんな、ここで「無料」ってのはアヤシイと思ったんじゃねぇかな。こちらの場合、一応素材はしっかりしてたからな。キャプテン・レッドとかいうおっさんはまだ切ってもいないゴボウに目をつけて一本買ってったぐらいだ。ついでに具にするつもりだったコンニャクも買ってったぜ。温めて、ってことだけど何に使うのかね。

 大会の方は、まあ相変わらずのドタバタだ。水脈に毒を流そうとするヤツはいるわ、妨害工作にピラニア放すヤツはいるわ、ホンマグロ一本持ち込むヤツがいるわ。あ、女のコの参加者の水着が取れちまうってのはちょっとウレシイハプニングかな。誰かが「お約束」なんて言ってたが、何であれいいものには違いねぇ。

 大会の方はいつものようにウヤムヤになっちまったな。それというのも最近幅を利かせてた二人、キャプテン・レッドとブラック・セローの正体がわかったからなんだがな。カンのいいヤツはとっくに気付いてたみてぇだが、レッドがセローの大将で、ブラックがアズパールのおっさんだとよ。一体何があったかはしらねぇが、アズパールのおっさんは「暗黒の化身、アズパール・ダークネス」なんて名乗ってるが、おっさん、日に焼けちまっただけじゃねぇのかぃ?

 勝負の決着はセローの大将の提案で「ゴボウとハチミツを使った罰当たり食べ物勝負」ってことになった。そう、おぃらが売りつけたあのゴボウがきっかけだ。なんでも勝負の最中、ブラックがかぶってた仮面を打ち砕いたって話だけど、いったいどうしてなのかね。まあ、この町に今さら常識を求めてもしょうがねぇけどな。


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