登山データ
長野県上松町、木曽福島町
2733m
1989.6 
歩行時間=7時間20分(登り4時間20分、下り3時間)
登山紀行
 私の勤務する地域では中学校2年生でキャンプに行くことが多い。この年、私の勤務する中学校では、長野県上松町から中央アルプス側に入った芦島中日キャンプ場という、水道とテント以外何もないところで、大自然にどっぷりとつかったキャンプを行った。
 キャンプは3泊4日であるが、二日目の登山以外ずっと土砂降りで、降り続く雨の中、濡れた薪を手にひたすら飯盒炊飯をしていた記憶しかない。しかもキャンプが終わったときには、自分も含めみんな、風呂がないのと極度の疲労のため真っ黒で生気のない顔をし、手や足には虫さされの赤い斑点がぽつぽつとできていた。
 そんなキャンプではあるが、不思議と二日目だけは晴れ、朝早く起きて、麦草岳へと向かった。奇見世の滝までは比較的平坦な道が続いていたが、滝からはかなり急斜面になっていた。その急斜面を初めのうちは「俺を抜くんじゃない。」と偉そうに中学生に言って頑張っていたのだが、やはり若さには勝てず、どんどん中学生に抜かれるようになっていった。本当にへとへとになりながら、4時間後に頂上に。天候が良くないので余り見通しは良くなかったが、すぐ隣の木曽駒ヶ岳だけは間近に迫ってみることができた。
 帰りは中学生と同じように、半ば走りながら下ったのだが、奇見世の滝あたりから、大粒の雹にあい、傘を差しながら歩いていった。
 それにしても、200人を超える生徒のほとんどが2733mの頂上に立ち、また、前述したように非常に過酷なキャンプを過ごしたのだが、今ではこんなキャンプはきっとできないし、もし行ったら保護者から非難ごうごうであろう。
 

5麦草岳
(むぎくさだけ)