登山データ
長野県飯田市
2169m
2001.5.5(土)曇り
歩行時間=5時間30分(登り2時間30分、下り3時間)
登山紀行
 ゴールデンウィークもあとわずか、というところで、いてもたってもいられず、今回は二人の息子も同行するということで、比較的楽で、眺望のいい山を探した。
 ガイドブックによると、歩行時間3時間20分とあったので、ついなめてかかったわけであるが、愛知県豊田市の自宅から、車で早朝に飛ばしても、登山口まで3時間半。もっともかなり山頂近くまで車で行けたので、それは助かった。歩いていくと、少しずつ残雪が現れたのは前回の南木曽岳と同様であるが、どんどんそれが増え、仕舞いには雪の上しかなくなった。こうなると頼りは人の足跡しかない。下の息子にその足跡をたどらせたのが間違いで、2時間近くかかって着いた山頂には何の表示もなく、足跡もそこでとだえた。どうやら隣の2164mの名もない山に着いたらしいと気づき、そこからは、私が先頭になり、足跡のあるところないところ、とにかく稜線を、摺古木山らしいピークに向かって進んだ。靴の中は水たまり状態で、だんだんしびれてくるし、子供は泣き言を言い始めるしで大変であったが、そこから約30分、必死の思いで、ピークに着くと、「摺古木山」と書かれた標識が、雪の中から少し頭を出していた。雪はどうやら2m近くあるらしい。山頂のあたりは、雪に覆われて座れないので、おにぎりを食べるために、西側の「摺古木自然園」に向かった。行っても行っても雪に覆われ座れそうもなく、子供も早くお昼が食べたいと騒ぎ出したので、途中で、レインコートを下に敷いておにぎりを食べる。眺望は、東側の南アルプス側だけで、期待していた御嶽山は雲の中であった。
 昼食後の下山はさらに大変であった。自然園(ちょっとした山頂の平原で、眺めが良いためこんな名前が付いているらしい)のピークまで来ると、そこで足跡がばったり途絶えている。どうも、先人はみんなここで引き返したようだ。しかし、ここからまた摺古木山山頂まで戻る元気もなく、仕方なく、地図を見て見当を付けながら、全くの新雪の中を、下山し始めた。子供たちは「遭難だ」「そうだんです」などとくだらないギャグをとばしていたが、本当に一歩間違えば、遭難と背中合わせである。それでも、勘がいいのか、運がいいのか、雪の中を適当に見当つけながら、なんとか、もと来た道に戻れたときは本当にほっとした。
 5月とはいえ、2000mの山はまだ冬山である。なめてはいけないという大きな教訓を得た。
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  <摺古木山>     <雪に埋もれた山頂>    <山頂にて>

<山頂から南アルプス><山頂から南アルプス><自然園から山頂>

30摺古木山
(すりこぎやま)