登山データ
長野県下伊那郡飯島町
2195m
2001.5.26(土)晴れ
歩行時間=約5.5時間(登り3.5 下り2時間)
登山紀行
 長野県下伊那郡松川町から、西へ山の中にはいると、林道終点が鳩打峠というところである。現在治山工事中で、騒然とした雰囲気であった。
 前夜、ここまで車で来て、車の中で一夜を過ごす。降るような星空というのはこういうことだろうと思われるような満天の星空であった。
 翌朝、7時に出発。しばらく治山工事のための本当に小さなモノレールに沿って、ジグザグに登る。このモノレールに乗れたらと、うらやむ気持ちと、登山の雰囲気をこわされたうらめしい気持ちでこのモノレールを横目に、まだ疲れもなく、ひたすら登っていった。
 しばらくすると、小八郎岳(1475m)に到着。由来はよく分からないが、なんでも昔この地方を治めていた豪族の墓があった。眼下には松川の町並みが見える。それはいいが、治山工事といって、この山の斜面を大きく削り、コンクリートで固めてあった。何らかの意図があってしているのだろうが、自然というのはそのままにしておくのが、本当の「自然」であろう。おそらく、崩落の危険があるとのことであろうが、崩落するなら、させておけばよい。その下に家があるわけでもないし。これでは、雨が降っても保水することができず、木も生えてこない。コンクリートの斜面を見て、複雑な思いがした。
 ここから、烏帽子岳の本道に合流。合流地点は3合目であった。この後、親切に○/10と1合ごとに標識が立っているが、なかなかこの1合がしんどい。尾根道に出ると、烏帽子岳の山頂が大きく見えた。確かに、山頂に帽子をかぶったような姿である。(これは烏帽子岩という巨岩の塊であった。)必死の思いで山頂付近まで来ると、「烏帽子岩コース」と「安全コース」に分かれていた。迷わず「烏帽子岩コース」を進んだが、巨岩の絶壁を鎖を頼りに登ることになり、ここで、高所恐怖症の私は大きく後悔をした。その上、ときどきすごい突風が吹き、そんなときは目をつぶって岩にしがみついていた。そんなふうだから、せっかく烏帽子岩の頂点に着いても、はいつくばったまま、立ち上がることができなかった。
 そこからさらに、50mほどで、烏帽子岳山頂。曇っていて、南アルプスを見ることはできなかったが、北には中央アルプス南駒ヶ岳から伸びた尾根の上に黒覆山が、白い雪とまだらになって眺めることができた。雪渓はかなり大きく、まだまだ夏山にはなっていなかった。山頂は360度開けていたので、天気さえ良ければ、すらばしい眺望が見られたはずである。
 30分ほど食事をし、いよいよ下山。登山道をそのまま下った。
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  <烏帽子岳>     <小八郎岳の石碑>  <ツツジがきれいでした>

<イワカガミ>        <山頂>        <山頂から黒覆山>

31烏帽子岳
(えぼしだけ)