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岐阜県吉城郡上宝村、長野県南安曇郡安曇村
2909m
2001.8.3(土)晴れのち曇り
歩行時間=約8時間(登り4.5 下り3.5時間)
登山者のあこがれ穂高に行って来た。一口に穂高といっても、奥穂高岳(日本で3番目に高い山)、北穂高岳、前穂高岳、そして今回私の行った西穂高岳の総称であり、それぞれのピークが競うように林立している。その中でも、中腹の2156mまでロープウェイで行けて、日帰りできるのは西穂高岳だけである。
例によって前日、6時間かけて新穂高温泉まで車で行き(高速道路代を節約)、そこで車中泊。早朝5時からロープウェイが動いているということなので、4時半に起きたのだが、片づけや準備に手間取って、目の前を始発のロープウェイが通り過ぎる結果になる。5時45分の次の便に乗り、約20分かけて、終点の西穂高口駅へ。ここからの眺望は素晴らしく、西に錫杖岳、笠ヶ岳が目の前に迫り、遠くには白山が雲の上に、さらに北から東にかけて、槍ヶ岳、奥穂高、西穂高がピークを連ね、南には焼岳、乗鞍岳と360度の大展望が開ける。ここだけでもロープウェイに乗って見る価値は十分にある(ただし天気のいいときだけ)。まだ子供が小さいとき、ここに連れてきたことがあるが、あいにくの雨。一切が霧の中で、終点についたとき「ねえ、お山どこ?」と聞かれ、とても悲しい思いをした。
さて、ここからが登山。ルンルンと約1時間で西穂山荘。ここから稜線を歩くことになるが、東の眼下に上高地の梓川や大正池、ホテルや民宿が見えるようになる。そしてその向こうに霞沢岳が迫り、遠く南アルプスの峰々も遠望できる。1時間半ほどゴロタ石を歩くと、巨大な岩山が出現。ここを下を見ないようにはいつくばって登ると、西穂独標である。西穂高口駅で、ロープウェイを降りた客にはいろいろいて、ハイヒールで来る観光客は駅周辺で山並みを見て満足して帰り、スニーカー程度の人は西穂山荘で上高地を見て帰る。そして、軽い登山靴を履いた人は、独標まで来ると直前の岩登りでびびって引き返す。しかし、ここからの眺めは本当に絶景で、雲海の上からたくさんの有名な山が頭を出し、遠くには富士山まで見通せる。昨年も実は西穂高へ行くつもりでここまで来たのだが、私もびびってここで引き返した。そこで今年、意を決して再挑戦。独標でさんざん弱気の虫と戦って、ついにここから西穂へ向かう。途中、鎖につかまるところ、絶壁をわずかな足場を頼りに登るところ、等の連続である。とてもこわくて下の谷を見ることができない。谷を見たら最後、足がすくんで動けない。滑落すれば確実に死が待っている。ピークを二つ三つと過ぎ、やっとの思いで西穂高の山頂に着いたのは、独標からさらに1時間半も経っていたころである。槍がやたら近くに見えたが、だんだんガスが出てきたため、一服を入れたらすぐに引き返す。
また命がけで元の道を、慎重に下る。本当は西穂の後、余裕があれば、焼岳にも登るつもりでいたが、とてもそんな気力も体力も残っていなかった。次回は焼岳(北アルプス唯一の火山)だけに登りに来たいものである。
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