登山データ
長野県大桑村、飯島村
2613m
2002.10.5(土)晴れ
歩行時間=約8時間15分(登り5時間、下り3時間15分)
登山紀行
 英語で「コスモ」というと「宇宙」を表すが、そんな壮大な名前をもつ山が中央アルプスの中程にある。日本語の「越百」が何を意味しているのか、浅学な私にはわからないが、何か不思議な響きが感じられる。(広辞苑にも載っていなかった。)
 さて、越百山であるが、登山道は木曽の須原と、伊那の飯島の両側からの道はあるが、伊那側は危険箇所もあるようなので、木曽の須原から入った。
 前夜、須原から伊奈川ダムの車止めまで行き、車中泊。
 翌朝5時過ぎ起床。準備を整え、5時40分出発。まだ薄暗い中をゲートをくぐり、車道を歩くこと50分。ようやく登山道入り口に到着。ここまで車を入れさせてくれれば楽なものを…。ここで軽い朝食をとり、登山道へ。登山道はすぐに急勾配になり、ぐんぐん高度を稼ぎ、40分ほどで尾根道に出る。後はひたすら尾根道を、「下のコル」「やせ馬の背」「しゃくなげの尾根」「上のコル」「おこじょの平」「上の水場」などわかりやすい表示板をたどっていく。このほかにも四合目から八合目までの表示板があり、よく整備された山である。こういう表示があると、つらい登り道でも少しずつ次の目標ができて、不思議とつらさを感じない。表示がないと、「本当にこの道で大丈夫だろうか」「いつになったら着くのだろう」と余分な気苦労をし、精神的に疲れてくる。10時、9合目にある越百小屋に着く。ようやく越百山への展望が開けた。これまでずっと林間の道ばかりで、途中、壮大な南駒ヶ岳やでこぼこの岩場の仙涯嶺、そして遠くの空木岳、木曽駒ヶ岳の手前の宝剣岳がところどころでかいま見られたが、不思議と越百山だけは見られなかった。
 ここからあと一息で越百山山頂であるが、この最後の道のりが意外と急勾配できつかった。10時50分ようやく山頂に立つことができた。山頂は砂地で、いくらかの巨岩がごろごろしていた。天気は良かったが、遠くは霞がかかり、期待していた、南アルプスの山波や、御嶽山の雄大な姿は見られなかった。しかし、360度の展望が開け、北は仙涯嶺、南駒ヶ岳へと続く稜線、南は南越百山、奥念丈岳、安平路山へと続く稜線、南東は奥念丈岳から念丈岳、烏帽子岳へと続く稜線が見られた。ここで、伊那側から登ったというアベックと出会ったが、伊那側もそれほど危険ではなく、ずっと展望が開けていてよかったそうである。今度登るときは、伊那側から来ようと思う。
 山頂は強風のため、30分ほどで下山。登ってきた道を、引き返す。帰りは3時間10分。つらい道ではないが、アプローチの長さが感じられた。
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登山道入り口 越百小屋から山頂 越百山山頂にて
ごつごつした仙涯嶺 南駒ヶ岳 宝剣岳(左上)
空木岳(右上)

44越百山
(こすもやま)