登山データ
岐阜県根尾村、藤橋村、福井県大野市
1617m
2003.4.29(火)曇り
歩行時間=約5時間30分(登り3時間15分、下り2時間15分)
登山紀行
 能郷とは麓の登山口の部落の名。例年4月13日にこの村では能楽奉納の祭礼があるそうである。この部落を通ったとき、道路脇に能舞台があり、その名残を残していた。それはさておき、「白山」といえば加賀の白山を誰もが思い浮かべるのであるが、その加賀の白山と区別するためこちらの白山を「能郷白山」と呼んで区別しているようである。とはいえ、こちらの白山も白山権現の分社として大いに信仰されているし、標高もこのあたりでは群を抜いていて、加賀白山と併せて、この辺り一帯を「両白山地」と呼ぶなど、決して見劣りのするものではない。
 さて、前日に車で能郷谷に入り、ここで車中泊。早朝6時半に出発した。いきなりの沢の渡渉で左足がずぶぬれに。そこから、尾根に向けて急勾配を一気に上がる。尾根に出るまでの1時間あまり、息もあえぎあえぎであった。尾根に出るとところどころに雪渓が現れ、何回か雪渓を渡っているうちに、道に迷ってしまった。雪の上に乗ると、前に歩いた人の足跡だけが頼りになるが、この日は私が一番で、その足跡がはっきりしないのである。迷って困っているうちに、あとから来た人が私の足跡をたどってきたので、一緒に戻って正規の登山道を探し、何とか戻ることができた。
 たちこめる乳白色のガスの中で、雪の上を歩いていると、目の前が真っ白で、幻想的ですらあるのだが、広いところに出ると、本当にわからなくなって閉口した。最後は一面雪山の急斜面を一歩一歩踏みしめながら、道を探しているうちに、ふっと頂上に着いた。「もうすぐ頂上だ」という予感が全くないので本当に驚いた。とはいえ、頂上に着いたところで、標識と三角点があるだけのことで、辺り一面真っ白な風景は変わらないので、10分ほど休憩してすぐに下山した。天気が良ければ、すばらし展望が開けていそうなのだが、本当に残念であった。もっと暖かい季節の天気のいい日に、また是非訪れたいものである。
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登山口 登山口脇の滝 イワウチワ
頂上直下のザゼンソウ 頂上三角点だけ雪がなく… ずっとこんな風景でした

58能郷白山
(のうごうはくさん)