登山データ
長野県飯田市、大桑村
2363m
2003.6.7(土)曇り
歩行時間=約9時間(登り下りとも4時間30分)
登山紀行
 中央アルプスの南端、日本二百名山の一つ安平路山に登った。
 前夜、登山口である摺古木自然園休憩舎で車中泊。朝6時出発。7時過ぎには摺古木山山頂に立つ。2年前のゴールデンウィークに雪の中を迷いながら息子たちと2時間半もかけてついたことを思うと、あっという間であった。しかし、2年前の写真を見ると南アルプスがくっきりと目の前に迫っているのに対し、今回は天候に恵まれず、南アルプスは見えず、空木岳などの中央アルプスも遠くにかすんでいた。
 摺古木山からは、中央アルプスの稜線沿いを3時間かけての縦走である。とはいっても、尾根はだだっ広く、一面クマザサだらけで、登山道の整備もされていず、道を探しながら、クマザサの中をこいでいくことになるので、時間はかかるし、ちょうど、子供用のプールを歩いている感じで、体力の消耗も激しい。1時間半かけて途中のシラビソ山へ。シラビソ山なんて優雅な名前をやめて、「クマザサ山」と名前を変えてほしい、などと思えるほど、疲れていた。
 さらにシラピソ山あたりからは、残雪とクマザサが半々ぐらいになり、一層、登山道がわからなくなった。途中2回、道に迷って、とんでもないところを下っていき、変だなと思って周りを見回すと、最初は安平路小屋の赤い屋根が見つかり、2回目は正規ルートを歩いている人影が見つかり、かろうじて助かった。あのまま気づかずに下っていたらと考えるとぞっとする。
 そんな大変な思いをしながら山頂にたった安平路山は、樹林に覆われ、何の見通しのないところで、古ぼけた看板が一つ立っているだけだった。これほど苦労して、これほど報われない山はない。富士山とか御嶽山とか本当に大変だったけど、山頂にたった満足感と眺望はそれまでの苦労を忘れさせるものであった。
 二度と来るものかと思いながら、帰路につくが、縦走なので、帰りもアップダウンがかなりあるし、クマザサと残雪に阻まれながら、登りと同じ4時間半もかかって下山することになった。登りと合わせて9時間、歩き詰めで疲労困憊の極致であった。
写真館(クリックすると大きくなります)

イワカガミ ショウジョウバカマ 摺古木山山頂
中央アルプスの眺望 安平路小屋と安平路山 安平路山山頂

60安平路山
(あんぺいじさん)