登山データ
長野県安曇村、岐阜県上宝村
2455m
2003.9.27(土)晴れ
歩行時間=約4時間10分(登り2時間30分下り1時間40分)
登山紀行
 誕生日の記念に日本百名山の一つ「焼岳」に登ってきた。標高こそ低いが、北アルプスの山脈の中の最南端に位置し、北アルプス唯一の活火山である。上高地を訪れるバスが、釜トンネルを抜けたとき、眼前に大きくそびえる山塊で、この噴火によって、大正池が生まれ、そしてまた大正池を小さく埋めた火山である。
 前夜、安房峠手前の「中ノ湯」で車中泊をし、5:45出発。1時間あまり樹林帯の急登が続き、御来光を拝むこともできなかった。樹林帯を抜けると、突然、目の前に噴煙を上げる焼岳が大きな姿を見せた。振り返ると朝日の中に上高地の反対側にある霞沢岳がそびえていた。その右側には遠く中央アルプスが雲海に浮かんでいた。
 しばらく写真を撮り、出発。ここからは笹原とその上のガレ場をあえぎながら一歩一歩登っていく。さらに登ること1時間強。ついに噴火口に着いた。最高点の南峰は立ち入り禁止となっていたので、南峰に噴火口があるのかと思っていたが、南峰はただの岩山で、噴火口は南峰と北峰の間にあり、すぐ足下のところまで行けた。あたりは黄色く変色し、硫黄のにおいがきつい。これが爆発したら、と思うと怖かった。さらに右に回り込み、北峰に登ると、噴火口や火山のくぼみ、底にたまった火口湖が眼下に広がる。
 ここからの眺めは、北に槍、穂高を初めとする北アルプス、東に上高地を挟んで霞沢岳、その右に中央アルプス、南アルプス、そして先日登った甲斐駒ヶ岳の向こうに富士山が頭を出していた。南には乗鞍岳の大きな山塊が、西には遠く白山が…、と360度のパノラマを楽しめた。
 30分ほどゆったりと展望を楽しんでいると、下の方からすごいアリの行列ならぬ、人の行列が上がってきた。延々と尽きることがないので、これは大変と荷物をさっさとまとめて下山し始めた。
 途中すれ違うときに見ると「名鉄観光」のバッチを胸に付け、「5号車が…」とか会話しているので、少なくともバス5台分はいる。その後も別の団体に2組ぐらいあった。こんな山にまで、ツアーの手が伸びているのかと思うと、愕然とする。これから静かな山旅は難しくなるのかもしれない。
 
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焼岳山頂部 山頂から乗鞍岳 口を開ける噴火口
穂高と上高地 噴煙と火口湖 甲斐駒ヶ岳と富士山

66焼岳
(やけだけ)