岐阜県上宝村、長野県大町市、安曇村
3180m
2003.10.11(土)曇り、12(日)雨
歩行時間=約16時間30分(登り10時間00分下り6時間30分)
「いやしくも登山に興味を持ち始めた人で、まず槍ヶ岳の頂上に立ってみたいと願わないものはないだろう。」と深田久弥も述べているように、すべての登山者のあこがれの槍ヶ岳に登った。今年こそはと春先から念願していたが、天候不順のため、紅葉の10月まで延びてしまった。
槍ヶ岳というと、上高地から梓川をさかのぼり、槍沢から登るのが一般的なルートであるが、上高地はマイカー規制があるため、バスに乗り換える必要があり、時間や装備、費用に大きく制約を受けるので、新穂高温泉から槍平、飛騨沢をさかのぼるコースをとった。
前日夕方愛知県を発ち、23時、新穂高温泉へ。ここで車中泊。
6:00新穂高発 ここから白出谷まで2時間林道を行く。車で行ければ…。
8:00白出谷出合 ここから登山道になる。ガレ場が続き、歩きにくい。
9:25滝谷出合 鳥も通わぬという険しい谷である。雄滝が見える。
10:15槍平小屋 こんなところに高原地帯が広がっていた。
12:45千丈沢分岐 ここからすごい急登。小屋が見えてもちっとも着かない。
15:15飛騨乗越 ようやく槍ヶ岳が見られた。常念岳などたくさんの山々も。
15:30槍岳山荘 槍ヶ岳によじ登っているたくさんの人々。こわい…。
暗くならないうちにまずテントを張っておく。風の吹きさらしのところで、張っている間にテントが吹き飛ばされそうである。もちろん飛ばされたら、飛騨沢の谷底まで行ってしまうだろう。その代わり、常念岳、富士山、南アルプス、笠ヶ岳と360度の展望のきく、すばらしいテント場である。
テントを張ったあと、薄暗くなってきたが、思い切って山頂に向かった。
16:50槍岳山荘発 垂直の岩やはしご、くさりなどをたどって登っていく。
一歩間違えば、地の底ならぬ天国である。
17:10槍ヶ岳山頂 360度の大展望。赤い夕日に浮かぶ笠ヶ岳。
そしてその反対の大天井岳には、槍の影がくっきり
浮かんでいた。感動の瞬間であった。
17:50槍岳山荘着 下りは、怖いというありきたりの言葉では説明できない。
軽く夕食をすませ、7時半頃には、就寝。しかし、すごい暴風雨になり、風の音、雨の音で、うとうとして1時間ごとに目が覚めていた。
5時半、あたりが明るくなってきたので、暴風雨の中、くしゃくしゃにテントをしまい、6時半、急いで下山をする。昨日のうちに山頂に立っていて良かった。翌朝御来光を拝もうなんて考えていたら、一生の後悔を残すところであった。本当は今日は、大喰岳(おおばみだけ)、中岳、南岳と縦走してから下山するつもりであったが、この天気では何も見られないので、全部中止して、逃げるように下山した。
二日目は大変であったが、一生の思い出に残る登山ができた。
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