登山データ
長野県伊那市、山梨県南アルプス市
3033m
2006.11.3(金)晴れ
歩行時間=4時間50分(登り3時間05分、下り1時間45分)
北沢峠(7:05)−薮沢分岐(8:45)−馬ノ瀬分岐(9:05)−仙丈小屋(9:40)−仙丈ヶ岳山頂(10:10-10:40)−小仙丈ヶ岳(11:10)−大滝頭(11:40)−北沢峠(12:25)
登山紀行
 日本百名山の一つ仙丈ヶ岳に登った。南アルプスの女王と呼ばれているだけあって、美しい山容と均整のとれた稜線をもつ山で、山頂からの眺望も絶景である。その上、短時間で日帰りのできる3000m峰でもある。
 前夜長野県伊那市の戸台にある仙流荘前の駐車場に到着、ここで車中泊し、翌朝5時20分起床、6時の始発バスに乗り、北沢峠に7時到着。ここから登山が始まる。大平小屋から薮沢沿いに登ろうとしたが、大平小屋からの入口にロープが張ってあり、「薮沢コースは冬季登山禁止」の札がぶら下がっていた。ショックだったが、ここまで来て戻るのもいやだったし、まだ雪もなかろうと思って、ロープをまたいで登っていった。北沢峠までのバスは2台で満員だったのに、このコースを歩く人はなく、山頂まで誰にも会わずに静かな山旅ができた。沢沿いにどんどん登っていくと、前夜降ったのであろううっすらと新雪が1pほど積もり、そこに5つの肉球をもった獣(おそらく狐か狸か兎であろう)の足跡が仙丈小屋まで案内してくれた。途中いくつかの滝が見られたが、流れが所々凍っていて、冬の近さを知らせてくれた。
 薮沢分岐から沢を離れるとすぐに馬の背ヒュッテが現れたが、すでに入口も窓も固く閉ざされていた。さらに登ると、馬の背の稜線にでて、仙丈ヶ岳と薮沢カール、仙丈小屋が見えてきた。つらい登りを30分ほどで仙丈小屋に到着したが、ここもすでに冬季閉鎖されていた。その割にはうっすらとしか雪がなく、今年の冬の遅さが感じられる。小屋から薮沢カールの右の縁を、30分ほど登るといよいよ仙丈ヶ岳山頂である。ここで初めて東側の展望が開けたが、目前の富士山は圧巻である。すぐ右には標高第2位の北岳、その右には標高第4位の間ノ岳、その右に標高第15位の農鳥岳と高さを競って並んでいるのには感激である。さらに右に南アルプス中央部の山々、中央アルプス、御嶽山、乗鞍岳、北アルプス、八ヶ岳、鋸岳、甲斐駒ヶ岳と麻利支天、アサヨ峰、地蔵岳・観音岳・薬師岳の鳳凰三山と360°の展望を巡り富士山に戻ってくる。この中に日本百名山がいくつ入っているだろうか。主なものを数えてみると16ぐらいありそうだ。天気に恵まれしばらく至福の時を過ごしてから下山を始めた。下山は小仙丈ヶ岳を通る尾根道で、先ほどの山々を堪能しながら少しずつ別れを惜しんで下山した。1時発の帰りのバスに乗ろうとかなりハイペースで下山したところ、ガイドブックでは3時間で下山するところを1時間45分で降りられた。

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薮沢カールと山頂 仙丈ヶ岳山頂 富士・北岳・間ノ岳
鋸岳と甲斐駒ヶ岳 甲斐駒・麻利支天 鳳凰三山

126仙丈ヶ岳
    (せんじょうがたけ)