登山データ
長野県大町市、富山県立山町
針ノ木岳2821m、蓮華岳2799m
2008.7.26(土)曇り
歩行時間=9時間30分
扇沢駅(5:30)−大沢小屋(6:35-50)−雪渓下部(7:25)−雪渓上部(8:25)−針ノ木峠(9:05)−針ノ木岳(10:00)−針ノ木峠(10:40)−蓮華岳(11:45-12:00)−針ノ木峠(12:40)−雪渓上部(1:10)−雪渓下部(1:40)−大沢小屋(2:05)−扇沢駅(3:00)
登山紀行
 子供たちが夏休みに入ったとたん、急激に暑くなった。ようやく仕事も一段落ついて、高い山で涼をとろうと考え、北アルプス後立山連峰の針ノ木岳、蓮華岳に登った。針ノ木岳は日本200名山の一つでもある。
 前夜、扇沢の駐車場に入り車中泊。小雨のぱらつく中を朝5:30出発。車道を何回か横切り、雑木林を歩くこと1時間で大沢小屋に到着。ここで朝食をとる。30分ほど登ると三大雪渓の一つ針ノ木大雪渓に取り付く。アイゼンをつけ1時間の急登である。しかし冷蔵庫のようなひんやりとした風が雪渓の上を吹き付け快適であった。雪渓を終え、アイゼンをはずしてからしばらく登るとまた大きな雪渓があったが、右手にジグザグの山道もありこちらの方が楽であった。尾根に出たところが針ノ木峠で、ここに針ノ木小屋がある。富山側も長野側も急斜面が切り立っており、戦国時代、豊臣秀吉ににらまれた佐々成政が冬のさなかに立山のサラサラ峠とこの針ノ木峠を越え駿河の徳川家康に助力けを求め適当にあしらわれたことがあった。こんなところを冬の吹雪の中越えようとして、たくさんの家来を見殺しにするくらいなら、初めから秀吉にわびを入れておけばいいと思うのだが、彼の秀吉嫌いは命にも勝るようである。そんなことを思いながら、右に折れ雲の中の針木岳に向かう。かなりの急斜面を1時間、針ノ木岳の頂点に立ったが、何の展望も得られず、すぐに引き返した。針ノ木峠に引き返してから、左に下りずにそのまま直進して蓮華岳に向かった。蓮華岳は針ノ木峠から山頂が見え、展望は良さそうである。ざらざらのガレ場とハイマツの中を進んだが、雷鳥に出会うことができ、さらに一面のコマクサ畑に驚いた。斜面がピンクに染まるほどの大群落である。高山植物の女王を愛でながら、この花畑がなくなることのないように、みんなで見守ってほしいと思った。さて峠から1時間、蓮華岳の頂上に立つ。地理的に黒四ダムをみることはできないが、南に北葛岳、船窪岳、北に針ノ木岳、スバリ岳、赤沢岳、鳴沢岳、岩小屋沢岳と続く山並みを見ることができ、来た甲斐があったというものである。昼食をとり、下山は針ノ木峠、大雪渓、扇沢駅へと3時間で下った。途中大雪渓はスキーがあればと思いながら半ば滑るように下りていった。

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針ノ木大雪渓 針ノ木岳山頂 登山道から蓮華岳
雷鳥とコマクサ 蓮華岳山頂 蓮華岳から針ノ木岳、スバリ岳


151針ノ木岳
   (はりのきだけ)

152蓮華岳
     (れんげだけ)