155樅沢岳(もみさわだけ)
156双六岳(すごろくだけ)
157三俣蓮華岳(みつまたれんげだけ)
158鷲羽岳
(わしばだけ)

登山データ
岐阜県高山市、長野県大町市、富山県富山市
樅沢岳2755m、双六岳2860m、三俣蓮華岳2841m、鷲羽岳2924m
2008.10.12(日)13日(月)晴れ
歩行時間=<12日>9時間20分、<13日>8時間
<12日>新穂高駐車場(5:45)−わさび平小屋(6:45)−鏡平山荘(9:25)−弓折岳(10:20)−双六小屋(11:15-30)−樅沢岳(12:00)−双六小屋(12:20-40)−双六岳(13:45)−三俣蓮華岳(15:15-50)−三俣山荘(16:15)
<13日>三俣山荘(5:55)−鷲羽岳(6:55-7:10)−三俣山荘(7:50)−三俣蓮華岳分岐(8:30)−巻道−双六小屋(9:50)−弓折岳(10:50)−鏡平山荘(11:20-40)−わさび平小屋(13:35)−新穂高駐車場(14:30)
登山紀行
 体育の日とからめて4連休がとれたので、泊を伴う遠出をした。北アルプスの最奥部、黒部の源流といわれる、鷲羽岳をめざし、裏銀座コースをたどった。
 11日(土)夕方家を出て、夜、新穂高駐車場に入った。紅葉の時期の連休で駐車場は満車、仕方ないので駐車場入口の脇に路上駐車し、そこで車中泊。
 12日(日)朝、5時起床。身支度をし登山届けを出して5時45分出発。林道を1時間だらだら歩いてわさび平小屋に到着。さらに林道を10分ほど歩くと、奥丸山との分岐点があり、そこからいよいよ登山道に入る。巨岩のごろごろする道を少し行ったところで朝食のおにぎりを頬張る。ふと見上げると槍ヶ岳の穂先が少し頭を出していた。さらに巨岩のごろた道や樹林の中をひたすらジグザグにのぼり続けると、ふと目の前の視界が開け、槍・穂高の大きな岩塊が迫ってくる。絶好の展望台鏡池である。風も穏やかで波がないので、鏡池にきれいな逆さ槍、逆さ穂高がうつって、まわりの紅葉と相まって、えもいわれぬ情景を堪能することができた。ここから1時間、樅沢岳を見ながらぐんぐん登っていくと、弓折岳山頂、笠ヶ岳との分岐点になる。ここまで来ると、槍・穂高はもちろん、飛騨の名峰笠ヶ岳、これから登る樅沢岳、双六岳が見渡せるようになる。だらだらした縦走路を北に登ったり下ったりしながら約1時間で双六小屋に着いた。一息入れたら荷物を置いて、すぐ東にそびえる樅沢岳の山頂をめざした。往復50分、山頂では西鎌尾根をたどって槍ヶ岳が目前に迫っていた。
 双六小屋にもどって昼食のパンを食べる。味気ないものである。隣の人が食べていた小屋のラーメンがやたらおいしそうに見えた。腹ごしらえをしたら今度は西に道をとり、双六岳をめざした。地図で見るとたいしたことなさそうであるが、登ってみると大変。まず小屋から見上げるような急登が続き、ようやくめざす頂上かと思ったら、そこからやたら広い山頂部が続き、山頂まで結構かかった。食後すぐに登ったせいか、おなかの具合も悪く、気持ち悪くなってきた。空気も薄いのでなるべく大きく深呼吸しながらゆっくりと歩いた。山頂部の絶景は好天気にも恵まれ、360°の大展望がひらけていた。西に白山、黒部五郎岳、薬師岳、祖母山、北に立山、剱岳、三俣蓮華岳、鷲羽岳、水晶岳、東に燕岳、大天井岳、槍・穂高連峰の峰々、南に乗鞍岳、御嶽山、笠ヶ岳などが見渡せる。展望を楽しんだあと、北の三俣蓮華岳に向かう。1時間半で三俣蓮華岳到着。ここでも360°の大展望を楽しむことができた。
 予定より早かったので、思い切って黒部五郎岳に登ることにしよう、今晩は黒部五郎小屋に泊まることにしようと勇んで西に下っていくと、途中で会った人に黒部五郎小屋はもう営業していないと教えてもらった。よく調べもせず勝手にやっていると思いこんでいたが、本当に教えてもらえてよかった。この人に会わなければ、路頭に迷ってえらいことになるところだった。あわてて引き返し三俣蓮華岳山頂から反対の東に道をとり、一旦巻き道に下ってから、北の三俣山荘をめざした。途中、雲の平小屋や薬師小屋、水晶小屋の本年の営業は終わりましたという看板を見かけたが、黒部五郎小屋の閉鎖の看板は見ることがなかった。とにかく4時15分、三俣山荘に到着し、ようやく人心地着いた。
 夕食を食べたあと、やたら寒くて(昨晩−3℃だったそうだ)、布団にもぐっているうちに、6時半ごろには爆睡してしまった。9時半ごろ一旦目が覚めると、すぐ横で寝ている人の大いびきが気になって、それから朝まではうとうと寝たり起きたりを繰り返していた。
 翌13日(月)5時過ぎ起床、5時半朝食を採り、6時前出発。いよいよ最終目的地で眼前にそびえる鷲羽岳をめざす。のっけから急登の連続で大変だったが、休養十分なせいか、意外に軽快に1時間で登ることができた。ただ、南西の斜面を登っていたため、燕岳付近に登るはずの御来光を拝むことができず、山頂に着いたときにはもうかなり日が高くなっていたのが残念である。山頂は今日もすばらしい快晴で、360°の大展望を独り占めできた。大満足である。
 ここからは一路、帰路に向かう。三俣小屋に下り、巻道を通って双六小屋、弓折岳、鏡平、わさび平、そして新穂高駐車場と一気に下っていった。8時間歩きづめで大変であったが、双六小屋までは北アルプスの裏銀座コースといわれる道で、また、鏡平までずっと槍・穂高を正面に見ながら、どんどん近づいていくコースなので、体は疲れても心は楽しい山歩きだった。


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紅葉の鏡池・槍ヶ岳 樅沢岳山頂 双六岳山頂と
黒部五郎岳
三俣蓮華岳山頂と
槍・穂高連峰
鷲羽岳 鷲羽岳山頂と
槍ヶ岳
三俣蓮華岳からの
360°パノラマ