登山データ
長野県飯田市、静岡県静岡市
3013m
2009.8.8(土)曇
歩行時間=9時間20分(登り4時間40分、下り4時間40分)
便ヶ島(4:55)−西沢渡(5:40)−薊畑(8:40)−小聖岳(9:30)−前聖岳(10:35)
前聖岳(10:50)−小聖岳(11:25)−薊畑(12:00)−西沢渡(2:55)−便ヶ島(3:30)
登山紀行
 日本百名山の一つ、南アルプスにある日本最南端の3000m峰である聖岳に登った。
 前夜、便ヶ島まで車で入り、車中泊。朝4時半起床、4時55分登山届けを出して出発。初めは森の中の林道を川に沿って快適に歩く。45分後、荷物用ロープウェイのある西沢渡に到着。ここから登山道になり、延々と苔むした樹林帯の急登をひたすら登り、3時間、突然視界が開けたと思ったら、そこが上河内岳との分岐の薊畑である。小休止をして左に道をとる。視界が開けた代わりに太陽の光を浴びることになり、ここから帽子を着用。50分でちょっとしたピークの小聖岳に到着。これまでも急登続きであったが、ここからがさらに角度がきつくなりしかも、足もとはガレ場で、富士山に登っているようであった。ひいひいあえいで山頂に着いたが、あいにく雲がかかり何も展望は開けなかった。朝すれ違った人は、「すごい展望が開けていて、最高の眺めでしたよ」といっていたが、雲の多い日でタイミングが悪かったようだ。現に下山のとき小聖岳から見上げると山頂の雲が晴れ、一瞬だがくっきりと見えた。
 山頂まで登山地図のコースタイムでは10時間45分かかるところを4時間40分で登ってしまった。そんなに急いだつもりはなく、普通に歩いてきただけだった。ところが下山し始めると、だんだん気持ち悪くなり、薊畑に着いたころは最悪になっていた。お昼時で空腹感はあるのだが、食欲がわかず、何ものどを通らない。無理矢理パンを一つ押し込んだが、おいしくも何ともない。私の典型的な高山病の症状である。登るペースが速かったのか、こうなるとどうしようもない。下山が一番の薬である。本当は今夜、聖平小屋に泊まり、翌日上河内岳、茶臼岳、易老岳と経て、光岳に行き、光岳小屋にもう一泊、そして3日目に下山の予定をしていたが、全部取りやめて朝来た道を、下山し始めた。最悪の体調でこんなに下山がつらかったのは初めてである。ふつう下山のときはほとんど休憩なしで、一気に降りてしまうが、今回はちょっと降りては休憩、またちょっと降りては休憩と何回休憩したかわからない。結局登りの時間と下りの時間がちょうど同じになっしまった。こんなことは初めての経験である。「もう登山なんかやめよう」と途中で何回も思ったほどだった。しかし、下山して車を運転し始めるとすっかりよくなったので、やはり高山病だったんだろうなと思う。

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鬱蒼とした樹林帯 薊畑から小聖、聖岳 南岳、上河内岳
易老岳、光岳 聖岳山頂 小聖から聖岳


167聖岳(ひじりだけ)