飯盛城
いいもりじょう

■所在地:豊田市足助町飯盛 ■立地:山頂 ■別称:飯盛山城、飯森山城 ■築城年:12世紀後期 
■築城者:
足助重長、重秀 ■遺構等:曲輪、居館跡、土塁、碑

紅葉シーズンの飯盛山 飯盛山山頂の主郭
居館跡(香積寺) 香積寺の山門横の大土塁

飯盛城縄張図
■歴史
 この地は、尾張・三河から信州へ入る飯田街道の要所であり、皇室領の荘園であった。そこへ清和源氏の血を引く浦野重長が荘園の管理職として派遣され足助氏を名乗り、この地に居住した。七代重範は太平記でも有名な笠置山の戦いで後醍醐天皇のこもる笠置山を守る総大将となり、10万を超える六波羅軍を相手に3千余人で奮闘した。結局は重範は敗れ、翌年処刑された。その後足助氏は急激に衰退し、鈴木氏が勃興した。

●現状(1999年11月)

 現在、県下有数の紅葉の名所「香嵐渓」の一部となっている。飯盛山の麓にある香積寺はかつての居館跡で、周囲を土塁で囲まれている。土塁はかなり大きなものである。麓に飯盛山城址を説明する碑があるが、隣に大きな「香嵐渓」の碑があるので、みんなそこで写真を撮っている。特にそこが城址であることが強調されていないので、香嵐渓を訪れる年間数十万人の観光客のほとんどは、そこを城址だと認識していないと思う。おそらく、日本で最も観光客の訪れる中世山城の一つだと思う。山は20分ほどで頂上まで登ることができ、北東には復元された真弓山城が見える。頂上の主郭とその周辺にいくつかの曲輪がある。もちろん、紅葉シーズンに行くのがオススメである。ただし、ものすごい道路渋滞(豊田市方面から来る場合)と駐車場不足、そして、ものすごい人なので、そのあたりは有数の観光地ということで覚悟してもらいたい。時期をずらせば全く問題ない。緑のころに散策するのも気持ちの良いところである。


◆行き方

豊田市足助町の紅葉の名所、香嵐渓にある飯盛山が城址でなので道路マップで香嵐渓を見つければ良い。国道153号沿いなのでわかりやすい。紅葉の季節は、国道153号を使うとものすごい渋滞である。名古屋方面からなら、猿投グリーンロードを使うことが多いと思うが、力石インターまで行くと国道153号に出てしまうので、手前の枝下インターで降りて、矢作川沿いに北上して、県道33号を通って香嵐渓よりも北で国道153号に出るルートが良い。駐車場も香嵐渓より北の方が若干空いている。12月になると気温の低い巴川沿いはかなり散っているが、山の方はまだまだ見ごろである。せっかくだから紅葉も見たいという方は、12月になってからがおすすめである。

 飯盛山城は、県内では有数の紅葉の名所である香嵐渓の東側の山です。城めぐりとしては観光客が少なくて新緑が美しい早春がよいと思いますが、せっかくなので紅葉シーズンにも訪れたいものです。
 ただし、シーズン中の休日は、153号線が10キロ近く渋滞することがあるので、北から下りてくるようなルートを選んでくると、渋滞もなく民間駐車場もわりと空いています。
 しかし、観光バスをみるとほとんど県外ナンバーで関西からのバスが特に多いです。関西にも紅葉の名所はたくさんあるはずなのに、何故でしょうか。
 香嵐渓は飯盛山の東斜面が特に整備されていますので、日の当たる昼頃になると、逆光で紅葉が赤・黄・緑のステンドグラスのように輝いて見えます。フラッシュ焚いて記念撮影してもきれいに写ります。順光ではやはりPLフィルターがないと、見たときのような色鮮やかな印象では写ってくれないので、午後の逆光狙いがおすすめです。
 隣の真弓山城も紅葉がきれいで、人も少なくて穴場です。
飯盛山全景 国道153号の巴橋からの眺め
香積寺 香積寺
通称・紅葉のトンネルは午後になるとステンドグラスのようです。 真っ赤に色づいた紅葉