吉良家菩提寺の華蔵寺の前の道路を東へ400メートル程進むとアパートの隣に陣屋跡があります。
陣屋跡には模擬門があり、門をくぐると赤馬に乗った吉良義央公の像があります。この吉良公の像は町内の吉良公ゆかりの地にいくつも設置されており、探してみるのも面白いかもしれません。
赤馬に乗って領内を巡視したという吉良公は領民にも慕われ、治水事業や新田開拓に力を注ぎ吉良を発展させたことから、現在でも地元の人々に尊敬されています。ただし、吉良公は江戸詰めの旗本なので吉良に実際にいたことはほとんどなく、忠臣蔵の敵役として汚名を着せられた領主の名誉回復を願う気持ちが作り上げた名君像ともいえます。
西尾市と接するあたり、県道42号線沿いには吉良公が築いた黄金堤が現存しています。また、このあたりは1561年に松平氏と東条の吉良氏が争った際の合戦地である鎧ヶ淵古戦場でもあります。このあたりは当時は沼地で、吉良氏に敗れた松平勢が沼地に追い込まれ多数が討ち死にし、後々まで沼から鎧などが出てきたために鎧ヶ淵といわれるようになったそうです。ここには駐車場やトイレもあり、堤には桜が植えられているので、桜の時期には賑わいそうである。
吉良町は車で走っていても何故だかとても気持ちがいいです。これは歴史をとても大切にしているまちに共通する感覚です。
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