北海道道南
自転車旅 (2007、9,4〜9、16

 
小樽ー余市ー積丹半島ー岩内ー江差ー松前ー函館ー長万部ー十和田湖ー室蘭ー苫小牧ー釧路
                        

1日目(9/4)  夕刻出発〜妙高SA泊  

朝から北海道自転車旅行用品の再チェックだ。今回初めて妻が自転車旅行の伴走をしてくれることになった。妻の車に自転車を積み込み19時に家を出る。ETC夜間割引を利用しての行動計画だ。深夜運転を避け妙高SAで一泊する。妻は車中で私は一人用テントを張って一夜を明かす。ここ妙高SAは片隅の一角に仮眠用駐車場があり周りは芝生になっていて大型車は入って来れないようになっていて静かな環境の中で熟睡できるのが大変うれしい。こういう仮眠専用駐車場が全国のSAにあると長期旅行も楽しいのだが・・・。


2日目(9/5)  10:30新潟港発フェリー乗船  

小樽行きの新日本海フェリーは出発の1時間前までに新潟港に到着すれば良い。米山SAで日本海を眺めながらゆっくり朝食をとる。新潟市内での朝の渋滞を心配したが思ったより順調に新潟港9:00に到着する。予定通り10:30に出港すると明朝まで船の中でどうやって過ごそうかと考える。時々船室を出て右手方向に陸地が見える。あれが村上市だろうか?あの山が鳥海山であれが月山だろうかと思いをめぐらす。津軽海峡近くまで来ると陸地も見えなくなり、見えてもどこなのか分からなくなってくる。こうなると船室に閉じこまったままである。もう寝るしかない。


日目(9/6)  4:30フェリー小樽港着、自転車旅スタート〜余市〜積丹町自転車旅中止 
                                           
(走行約40km中止後車走行km)
石狩湾に入ると右手前方に小樽市街地の灯りが暗闇の中に浮いたように美しい景観が見えてきた。フェリーが接岸するころにはすっかり明るくなって早朝4:30にフェリーから下船する。市街地まで行って妻の車から自転車を下ろし組立てを終えると5:15自転車旅スタートである朝が早いせいか小樽市内の街中は閑散として車も人もまだ動きがない。車道の中央を走ることもしばしばである。市街地を抜けるころから通勤の車が増えワッカケ岬まで来ると日本海の荒波が海岸を洗う光景が見えてくる。余市の道の駅「スペースアップル」に立ち寄り
休憩をとる。朝がまだ早いせいか車も少なく店も開いていない。今日の予定があるので先を急ごう。古平か ら積丹町を通過すると歩道が無くなり海も見えない山道の狭い上り坂になった。しばらく行くうちに雨が降り 出し雨具を身につける。そのうちに雨まじりの向かい風になり自転車が進まず距離を稼げなくなる。なぜな ら台風7号が津軽海峡に接近している影響が出てきたのだ。この調子では自転車走行は困難で断念する ことを決意する。妻の伴走車に自転車を積み込み江差・松前方面に向かって日本海を見ながら海岸沿いの雷電国道を南下し、自転車から車へのドライブに変わる。この国道は車の通りも少なく道の駅もコンパクトに作られ賑やかさがなく少し淋しい。江差で温泉に入り道の駅「江差」で一泊する。このころになると強い風雨になり台風がもっとも接近している状況である。道の駅は広い駐車場ながら周りには車が1台もない。夜間に4〜5台の車がトイレ休憩に立ち寄るくらいの静かなところだ。 (写真はハマナスの実)  


日目(9/7)    江差〜松前〜函館 (車走行km)

江差で朝を迎えると昨夜の強い風雨は弱まり小雨模様の天気で雲が低く立ち込め海岸の白い波しぶきが大きい。まだ台風の余波が残っているようだ。松前に向かう途中、海産物店で焼き魚を食べさせてくれるところに立ち寄る。ホッケにホタテに○×貝を注文する。北海道で食べるホッケは臭みがなくホクホクしていて美味しい。一日中海岸沿いの国道を松前・福島と走り続け知内で買ったミニトマトがすごく甘くて美味しかった。こんな甘いトマトがあるのかと驚きである。そして函館の手前にあるトラピスト修道院に立ち寄るころにはすごい大雨に見舞われる。みやげ物を買って早々に引き上げ函館に向かう。函館山周辺の市街地を車でウロウロするがどこに安心して駐車できるところがあるのかが分からず、その場所を離れる。七重浜近くの大型スーパーで1本47円の生トウモロコシを丸型の深い飯合でゆでて食べる。安い・甘い・やわらかい・美味しいと北海道に来て良かったのひとときだった。この後トウモロコシをまとめ買いし、ゆでたものを持ち歩く北海道の旅だった。
                 
            焼き魚               江差〜松前海岸             男だけのトラピスト修道院


  台風7号通過自転車旅再スタート(函館〜苫小牧)

日目(9/8)    函館〜大沼公園〜森町〜八雲町  (走行約  km)


昨日までの台風7号の余波と思われる雨や風もなくなり、朝から好天気である。朝6時に函館を自転車でスタートするが、北上しているつもりが東に向かっていた。知らない土地に来ると方角がマヒしてしまう。直ちにおかしいのに気づきコンパスで確認し進行方向を修正する。北海道の主要幹線道路らしく道幅も広く両側の歩行帯も広く立派である。こういうときは自然とルンルン気分になり口笛や鼻歌も出てくるものだ。どうも旧道ではなく新道バイパスを走って来たようだ。旧道と合流すると緩やかな上りにかかり上りきってトンネルを出ると大沼公園入り口である。ここに自転車を置いて妻の車で大沼公園内をドライブしてくる。ボートやレンタルサイクル・レストラン・みやげ物屋・ホテルなどが立ち並び、ちょっとした観光地になっている。時間があればゆっくりしたい場所だ。再び自転車を走らせ森町を過ぎると右手に海が開けてきた。内浦湾(噴火湾)である。海の向こうの対岸の山々は室蘭である。また右後方を振り返ると駒ケ岳(1131m)と砂原岳(1113m)の雄姿がすごく美しく、休憩のたびに右後方を振り向く旅である(写真)。途中、国道沿いの温泉で入浴したあと八雲町に入る。スーパーで食料品を買い近くの広場でテントを張る。睡眠中の真夜中に下腹部の上が何かモゾモゾするので目を覚ます。動きからしてどうも動物のようだ。ガバッと起き上がり周りを見回すとピンポン玉くらいの穴がテントの布に開けられているではないか。どうもネズミの仕業に間違いない。5万円くらいするテントなのでくやしい。テント内の食料品を求めて侵入したらしい。
           

日目(9/9)  八雲町〜長万部〜洞爺湖豊浦  (走行約  km)

八雲町を出て長万部を過ぎ静狩川まで来ると直線な平坦道路からゆるい上り坂の山道にかかる。カーブのいたるところの道路端にジャガイモが落ちているのを見かける。最初の2〜3個は気にもとめなかったが走っているうちにあっちにもこっちにもあるわあるわで、こんなことなら最初から拾っておけば良かったと悔やむ。さすがここはホッカイドウ・・・北海道だ!。洞爺湖入り口近くの道の駅に自転車を置いて妻の車で洞爺湖まで行くことにする。すばらしく長い立派なトンネルが真新しく国道から洞爺湖まで15分ほどだったろうか。出港直前の遊覧船に飛び乗り50分ほどの船旅を楽しむ。山の上には洞爺湖サミットが開かれる大きなホテルも見える。日本百名山の羊蹄山(写真)も見える。数年前に大噴火した場所も確認できた。船客は韓国からの団体客であちこちで韓国語が飛び交ってにぎやかい。我々日本人は片隅で小さくなる始末。そして再び道の駅に戻り一晩過ごすことにする、宮崎ナンバーのキャンピングカーも駐車している。高校教師を定年後、宮崎を出発して3ヶ月になるという。私も同郷なので親しみを覚える。この元高校教師が別の道の駅で駐車していると隣に若い女性の車がエンジンをかけたまま30分以上駐車し携帯電話のメールを打っていたらしい。あまりにもエンジンの音が気になるので40分経過したところで注意すると、いつの間にかパトカー3台ほどが来たらしい。その元高校教師は何か事件でもあったのかと何のことか分からなかったらしい。そのうちに警官が元高校教師に名前・住所・・・などなどしつっこく聞いて来たが、何も悪いことをしてないのに答える必要はないと・・・。ところが警察に110番したと思われる女性には何も聞こうとしないD警察の対応は大きな間違いである。この話を聞いて楽しいはずの北海道のイメージが台無しになっては困る。 テントの中でタマゴ4個を割ってアツアツ(厚熱)の卵焼きで夕食だ。キャンピングカーの夫妻からは出来立てのキンピラゴボウをいただく。この元高校教師宮崎を出るとき一升入り焼酎を30本もキャンピングカーに積み込み出発したそうだ。

日目(9/10)  洞爺湖豊浦〜伊達〜室蘭〜苫小牧  (走行約102km)

昨夜の雨でテントの中まで雨水が浸入しシュラフやリュックがジトジトだ。幸いブルーシートを敷いていたので大事には至らなかった。荷物は妻の伴走車ラテックスに積み込み、今回最後の自転車旅終着地である苫小牧まで102kmに向けて雨の降りしきる中を飛び出す。室蘭まで来ると左後方の内浦湾とも別れ道路は直線的な平坦路となって走りやすくなり距離をぐいぐい稼いでくれる。しかし、雨は降り続き止んでくれない。妻の伴走車は3〜4km走っては路肩に止まっての繰り返しで、かなり気を使う運転である。自転車の方は荷物がなくてラクチンな走りである。これだったら一日100〜130kmは走れそうだ!。一日中晴れることなくやがて苫小牧市街地に到着し、大型スーパー駐車場の片隅で自転車旅を終了し荷物を整理したのち自転車を妻の車に積み込む。・・・さて、今回の北海道南自転車旅行の日程は9月14日にフェリーの切符も取ってあり、それまでの4日間をどうやって過ごそうかということだ。台風の影響で日本海側が走れなかったのが悔やまれる。今回初めての伴走車付き自転車旅行ということもあり、日程の許す限り思う存分北海道を車で走ってみようということに相成った。鵡川の道の駅にある温泉施設で入浴し長旅の疲れを癒す。

                          
                 室蘭製鉄所                           伴走車
道の駅の駐車場は九州や本州からの旅人の車で就寝中の人が多い。そんな中で夜中の2時を過ぎても若者3〜4人の話し声で寝付かれない。旅人たちも車の中から出たり入ったりで寝付かれないようだ。若者たちは暴走族でもチンピラでもなさそうで、軽く注意してやればその場を去ってくれそうなのでそのことを近くの同じ旅人に話すと「いや・・・若者の方を見ちゃだめ・・・関わらないほうがいい。知らんふりしていたほうがいい・・・・」と言うのである。60歳で定年し一人旅の男である。若者にそっと注意すべきかどうか皆さんはどう思うだろうか?。世の大人たちが叱らない注意しないから若者の事件や交通道徳・社会の秩序がメチャクチャじゃないか。車に人形をいっぱい飾り、ナンバープレートを見えにくくし、くわえタバコで携帯電話のメールを打ちながら車を運転する若い女や男。それを見て見ぬふりして通り過ぎるパトカー・・・。いったいどうなってしまったの今の日本は・・・!。何もかも一番悪いのは政治・・・?。もっと悪いのはその政治家を選んだ国民なのでは・・・?!。もっと大人たちが賢くなって・・・。今の社会に憤慨して前科のない真面目な者までが犯罪者になりそうな社会である。それともお馬鹿さんになったほうが賢いのか?。そうなったらそれこそ日本沈没か?。今の政治もヘキヘキ・・・。こんなことも考えながらの北海道旅行である。


日目(9/11)  苫小牧〜襟裳岬〜釧路〜厚岸    (車移動400km)

苫小牧を基点に今日から車で走るルートは昨年(2006年)2回に分けて自転車で走破済みで、思い出のコースを車でたどることになる。鵡川(むかわ)の道の駅を6:15に出発し次の道の駅サラブレッド新冠のコインランドリーで雨でぬれた衣類を洗う。この間テントやシートを広場いっぱいに広げて天日で乾かす・旅先ではこの作業も「旅のひとこま」であり、あとでいい思い出となるのである。今日のドライブはどこを見てもサラブレッドの牧場である。そして海を見るとコンブ取りの漁師で忙しそうである。信号は少なく牧場と海を見ながらののんびり旅である。襟裳岬に立ち寄り少し走ったところで牧草地の広がる百人浜駐車場で持参してきた材料で昼食を作る。出入りする車も少なく風もなく天気も良い中、アスファルトの上にどっかりと腰を下ろしてのんびりの昼食のひとときである。こうした気楽な旅が楽しくて仕方ない。そして百人浜から海岸沿いの信号の無い立派な黄金道路をひた走り広尾から豊似を経て車の少ない殺風景なナウマン道路を順調に走る。昨年8月にこの道路を自転車で走ったときの苦しかったことが思い出に残るなつかしい道だ。ここでどうだった、あそこでどうだったと妻に説明しながらの今日の車旅である。釧路の街を素通りし暗くなりかけたころ厚岸の高台にある道の駅に到着する。ここから見る厚岸の街の夜景がきれいである。妻は車中で私は外で一人用のテントに納まり明日を待つ。
    
日目(9/12) 厚岸〜根室〜羅臼〜知床〜網走〜サロマ湖(車移動 ?km)

厚岸の夜明けは往来する船のエンジン音と汽笛で目をさましのどかな心地良い朝を迎える。早い目覚めで朝5時にスタートし根室から納沙布岬をめざす。今日のルートも先回の自転車旅と同じ道をたどる。旅をしていて感動するもの、感激する場所ほど写真の数も多くなる。
         
             
  今回は霧が多く対岸の水晶島など見えない。早く”北方4島を返せ〜”と叫びたくなる。何かしら目がウルウルしてくる。
上の写真中央は各県から北方4島返還を願って寄せられた石である。納沙布岬は牧場のように広々とした場所でアウトドア派にはおすすめのもってこいの場所でいい環境だ。

              
  知床峠から見る羅臼岳           知床5湖にて            オシンコシンの滝
こうやって旅日記を書いていて8日目の苫小牧以降はここに書く自転車旅ではなく車旅なので先を急いで省略しよう。自転車旅のときの思い出の宿に妻をどうしても連れて行ってやりたくて前もって予約しておいたサロマ湖畔の「船長の家」に泊まる。この宿の特徴はちょっとしたホテル並みの設備でびっくりするのは海の幸料理の品数の多さとそのボリュームと一人に花咲きカニ丸ごと一パイとタラバガニ丸ごと一パイのこれでもか!まだか・・・!と言った調子の料理にびっくりである。丸ごと2ハイのカニは皆、食べきれずにクール宅急便で家に送る始末だ。ここは遠来の客が結構多い。  

                      
            船長の家料理                   宿の対面にある同じ経営の海の市

以下省略・・・
  
9/13サロマ湖〜遠軽〜白滝〜旭川〜滝川〜岩見沢〜小樽〜<フェリー>〜新潟〜長野〜豊田  9/16に自宅に帰着。


                  北海道道東       九州縦断路