タイトル:W1ミーティングへの誘い(いざない)

 秋、恒例のW1河口湖ミーティングが10月10日に開催され、参加してきたのでそのレポートをお伝えしようと思う。このミーティングはW1愛好会が主催して行なわれ、春5月に箱根、秋10月に川口湖で開催される。河口湖は今回で16回目、春の箱根は15回目を数える、多分日本で最も長く続いているミーティングであり、最近の参加台数は平均して120台と、規模でも日本最大のミーティングではないかと思う。

 私は今回の河口湖で3年連続、箱根は2年連続と、通算5回目の参加となる。「なんだ、少ないんだ」と思われるかもしれないが、実は私は最近はやりの「リターンライダー」なのである。今のW3に乗り始めて3年にしか満たないが、10代のころにW1Sに乗っていたので、まさしく「Wリターンライダー」と言えるのではないかと思う。そんな新米のダブラー(W乗りのことを最近はこのような言い方がはやっている)のミーティング参加レポートがこれからWに乗ろうという方の参考になれば幸いである。

 また私が購入したW3は10年くらい放置されたサビサビの車両で、これをレストアするために先輩諸氏の援助を仰ごうとWebサイトを開設した結果、いろいろな方との交流が生まれた。ミーティングへ参加する場合に私が住む地区からは往復500kmを越えるため、日帰りでは体力的に厳しいこと、せっかく参加するのだから皆さんとゆっくり話したいと考え、希望者を募り前夜祭と称して前日夜の宴会を毎回開催しているので、その様子なども伝えたいと思う。

さて本題の参加レポートに入ることとしよう。今回も前夜祭の参加者を募ったところ、12名の希望者があり、宿の予約や途中の合流方法などを打ち合わせできていた。しかし直前に台風22号が発生し、前夜祭の土曜日に東海から関東地方を直撃するとの予報となったため、急きょ前夜祭を後夜祭に変更しミーティング当日に宿泊するよう変更を余儀なくされた。
W1ミーティングは朝10時から受付開始なので、あまり遅刻しないよう我が家を朝5時前に出発した。まだ夜明け前で真っ暗である。まずは知多市の中野さんとの待ち合わせ場所である岡崎ICに向かう。5時10分に到着すると、予想通りすでに中野さんは到着していて待っていてくれた。

【写真1:まだ夜が明けきらぬ合流】


 挨拶もそこそこに次の待ち合わせ場所である浜名バイパスの料金所に向かう。豊橋市の伊東さんが少し遅れて到着し、国道1号線を東に向けて3台で相前後しながら黙々と走る。伊藤さんのW1SAはアクセルを戻して減速する際に時々アフターファイヤーが起きている。あとで燃費を聞いたら私のW3よりも1割くらいよいので、空燃比が薄めになっているようである。

 磐田バイパスの料金所を抜けると、そこは準高速道路並みの道路が続く。私はこのコースが好きで河口湖や箱根に行くときもいつも通っている。その理由はWの最も好きなフィーリングを存分に楽しめることである。Wは独特の音、振動で愛好者を魅了すると言われているが、私の場合は4速2500rpm時速60kmから3500rpm時速80km強までの加速フィーリングが最も快感である。アクセルワークひとつでいろいろなフィーリングが楽しめ、トルク感を最も感じられる回転域だからである。一般道ではそういう状態を連続して長時間持続することは困難であり、また高速道路ではそのような走り方は危険なので、国道のバイパスをよく利用している。また、バイパスには左側に防音壁がある場合が多く、防音壁から1.5mから2mくらい距離をあけて走ると、自分の排気音が防音壁に共鳴して独特の排気音がより明確に感じられるのも快感である。掛川バイパスを抜け、藤枝バイパスに入るとトンネルが多く、ここでも自分の排気音が最も良く聞こえる部分を探して走る。

 浜名バイパス料金所から約2時間弱、休憩を取るために道の駅「宇津ノ谷峠」に入ると、そこにW1Sが3台停まっていた。ミーティングなどを通じて今年から親しくさせていただいている焼津の方々で、あと一人が遅れているとのことなので、揃ったら同行させていただくことにして雑談をしながら休憩した。遅れていた方が到着したので出発することし、出発のためにW3を後ろ向きで移動させているときに、不覚にも濡れた路面で足が滑って立ちゴケさせてしまった。車体を起こしてみると、クラッチレバー先端の玉の部分が折れていたが、クラッチレバーが握れるので、そのまま走り出した。すると1速には入るものの、2速には入らずそのままでは走れないことが判明。チェンジレバーやロッドの変形などは無く、チェンジレバーを順に外していくが、どうやらミッション内部のチェンジポールレバー(通称カニの爪)がシフトダウン方向には働くが、シフトアップアップ方向で動作してくれないようであった。仕方なくミッションカバーを外すことにした。右ステップを取り外し、ミッションカバーを外す間に、仲間の皆さんがオイルを受けるためのポリ袋、牛乳パックを切ってオイルを戻すための漏斗(じょうご)などを準備してくれた。ミッションカバーを外すと、そこには円筒形のカラーがカニの爪の下側に鎮座していた。このカラーがカニの爪が下に動くことを妨げていたようである。実はこのカラーには身に覚えがあった。以前、ミッションのシフトがスムーズでなかったため、ミッションカバーを開けて調べていたときに雨が降り出し、このカラー部分にウェスを巻いたままW3を移動させたところ、ウェスが巻きつきカラーを止めている金具を曲げてしまった。曲がった金具をなんとか平らにして組み付けたが、固定用サークリップがしっかり固定できなかったが、とりあえずそのままにしてあった。その後、金具は仲間から入手していたが、ミッションカバーを開ける機会があればその際に交換しようとそのまま放置してあった。どうやら走行中にサークリップが外れ、カラーが内部に落ちていたものが立ちゴケにより、位置を変えて今回の事態となったもののようである。とりあえず、カラー、金具とサークリップを取り除いてミッションカバーを組み付けることとした。ポリ袋に溜まったオイルを漏斗でペットボトルに移し替え、ミッションに戻してやる。居合わせたダブラーのおかげで作業は30分ほどで完了することができた。いろいろと手助けしてもらった仲間に感謝、感謝でした。

【写真2:折れたクラッチレバーと悪さをしていたカラーと曲がった金具】  撮影し直し予定


【写真3:路上でミッションカバーを外し修理している筆者】




 気を取り直して、国道1号線をさらに東に向けて走る。道の駅富士で先行していたW1S2台、マッハ2台と合流し、そこから合計10台で会場である河口湖に向けて走る。途中の朝霧高原では霧が出て車2台先までしか見えなかったが幸い雨にはならずに、河口湖町に入った。そこで給油したが約250kmの走行で12リッター入り、燃費は20km/lとなぜか今回は少し悪かった。そして会場である河口湖ビジターセンターには予定よりかなり遅れ11時30分に到着。
W1ミーティングの垂れ幕の下を通過すると、すでにかなりのWが集まっている。スタッフの誘導により停車すると、顔見知りの連中が寄ってきて「ミッション大丈夫?」とからかわれる。どこからか情報が伝わっていたようだ。W1愛好会高橋会長やW1クレージーズ泰山会長、森相談役さんに挨拶した後、受付で署名し会費を支払う。駐車位置の整理や受付などスタッフの方々のご苦労に頭が下がる。

【写真4:受付風景】


 しばらくしてW1愛好会の坂田さんの軽妙な司会でセレモニーが始まる。高橋会長の挨拶の後、恒例の初参加者の紹介が行なわれ、今回は28名と多かった。そのなかの最年長者がなんと68歳とのこと、頭が下がります。その後、恒例の集合写真を撮影してセレモニーは終了。あちこちで旧友を暖めたり、情報交換したり、皆さんの笑顔を見るのが楽しい。今回は天候が恵まれなかったものの120台ほど集まったようである。

【写真5:司会の坂田さんと高橋会長】


【写真6:初参加者の紹介風景】


【写真7:垂れ幕を中心に集合写真】


【写真8:集まったW、W、W】


【写真9:笑顔で歓談する参加者達】


【写真10:珍しいカラーリングのW。最近はオリジナルに拘らない人も増えてきた】


【写真11:累計走行23万kmのW。しっかり手入れされています】


【写真12:クリップオンや一文字ハンドルで決めている岐阜組トリオ】


 1時間くらいすると、帰る方も多く、会場も空いてくる。W650に乗ってみないか?との誘いがあり、初めて乗ってみた。セルは付いているし、アイドリングは低く安定しているなどやはり最新の車両は安定している。走り出してみるとなかなか快適である。これで前述の時速60kmからの加速フィーリングや排気音がW3と同じようなら買いだと思う。いつのときか試してみたいものである。またエンジンマウントのナットが脱落しているW1SAがあったが、スパナが入らない場所のため、針金を使ったりして皆で応急処置をする。

【写真13:エンジンマウントナットを応急処置】


 またアイドリングが安定しないと訴えるW3の方がいたので試運転してみるが、Wは個体ごとにまったく違うフィーリングが面白い。停車しアイドリングの左右の排気圧力を触感で確認すると、左気筒の排気が弱い。皆でいろいろと相談してみると、まずは点火系の点検が先だとのご結託。このように悩んでいる方へお互いにアドバイスするなど、仲間内の連帯感がまた心地よい。

【写真14:皆でW3を点検】
写真がありません:誰か撮影していませんか?

 その後、後夜祭を行なう宿がある山中湖まで参加者で移動する。連休のため、渋滞が激しい。途中で霧があったりしたので、早々と宿に入る。宿のそばの広場で全員のWを並べて写真撮影する。通りがかりの軽トラックの年配の方が、「俺も昔乗ってたんだよ、懐かしいな」と声をかけていく。

【写真15:後夜祭参加者のWを並べて記念写真を撮影】


 宿の駐車場にWを整頓して駐車する。まだ夕食には時間があるので、さっそくビールを注文し、W談義が始まる。夕食、お風呂の後、持ち寄った焼酎を傾けながら、さらにディープなW談義が夜遅くまで続いたようであるが、私は往路での路上整備のため、疲れ果ててしまい、途中で爆睡。きっと、「酒の肴」になっていたことと思う。

【写真15:ディープなW談義が行なわれている】




 翌朝も時々小雨交じりの天気。山中湖をバックに参加者それぞれの愛車とのツーショットを撮影する。名残惜しい気持ちを抑えながら、帰路の出発である。山中湖から御殿場に抜け、ここからは東へ西への帰路となるので、246号線で東組と西組で二手に別れる。沼津からは静岡、愛知組の4人となるが、ここからは行楽の秋を思わせる秋晴れで、昨日の雨を恨めしい。往路と同じ道をたどり家までまっしぐら、帰り着くとトリップカウンターが555kmを指していた。
片づけをしてインターネットの掲示板を見ると、皆さんの無事到着の書き込みがあり、皆さんの無事を確認できた。やはり今回も楽しい二日間を過ごさせてもらいました。W1愛好会の方々、参加者の方々にお礼を申し上げると同時に、来年5月の箱根での再開がまた楽しみである。最後に後夜祭に参加していただいた方の愛車とのツーショットを掲載してレポートの終わりにしたいと思う。

(写真は現在収集中)
【写真16:森さん(千葉市)】


【写真17:川口さん(千葉市)】


【写真18:石原さん(千葉市)】


【写真19:熊谷さん(東京都北区)】


【写真20:熊沢さん(横浜市)】


【写真21:大沼さん(三島市)】


【写真22:林田さん(静岡市)】


【写真23:伊東さん(豊橋市)】


【写真24:中野さん(知多市)】


【写真25:福元さん(三好市)】


【写真26:筆者(豊田市)】