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■■  車椅子でも暮らしやすい住宅  ■■
 費用のこと、増築か改築かの別、とりあえずそのへんのところは無視します。自分で車椅子を操作して室内を移動することができる人が、できるだけ少ない介助で暮らしていける家。こんなふうになっていたら暮らしやすいのではと、作成してみたのが下の図です。一応、夫婦二人暮らしをイメージしています。
 
 まず問題になるのが車椅子での移動と、方向を変えるという動作が容易に行えるかどうか。これで暮らしやすさが決まってしまうような気がします。
 具体的には移動の場合は、廊下、出入りのための建具、ベッドやテーブル、便器等を置いたあとのスペース、これら全てが、目安として90cm以上の幅の確保。向きを変える必要のある場所では、これも目安として140cm以上の幅が確保されていること。
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 次に動線(人が動く経路)の問題。これはできるだけ短くて簡潔であること。ベッドが生活の中心になると思いますが、食事、トイレ、入浴、洗面、これら生活の基本となる行為ができるだけ近くで行えること。
 上の図は、一般の住宅と同じように、室内の床を周囲の地盤面から45cm程上げています。そして、その高低差をスロープで解消しようという案です。ただ、スロープの昇り降りは介助なしにはできないでしょう。もし、そこを一人でもできるようにするのであれば、例えば、室内の床をずっと下げて周囲の地盤面と同じくらいの高さにするような対応が必要となるでしょう。
▼ ちょっと 一言 ▼
 あれこれと能書きを書いてきましたが、うちの場合のように、車椅子に乗せるのも、室内を移動するのも全て介助しなければならない状況では、やはり<家>より<人>。家は理想を追求するより、大きな不便をできるだけ小さなものにすると考えたほうが経済的な面からも賢明だと思います。少しくらい不便でも何とかなりますよ。(建築の設計で生計を立てている私がこんなこと言うのもなんですが・・・・)
 それよりは、在宅での介護を続けていくためには、外部の人の支援がどのくらい得られかが大きいと思います。もっと大切なことは、家人が見捨ててしまわないことですか。

 


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