西ドイツ時代のカルコマというメーカー製。
OHV−Rのコックはほとんどこれです。
タンクしたから見て反時計回りにナットを緩めるとコックがはずれます。
このナットは上半分が右ねじ、下半分が左ねじとなっており、時計回りに回すことによってコックとタンクを締結します。
当然コックには普通と逆の左ねじが切ってあります。
外れたコック。
詰まっていたのはサビではなく、タンクの防錆ペイント。
ON−OFFと書かれたプレートを外すとローレットのあるフタがありますので、大きなプライヤーで外します。
強力なスプリングでコックレバーを押さえてます。
コックレバー。
全部品。
左からコック本体、レバー、クリックワッシャー2枚、スプリング、カバー、フタ、ストレーナー。
クリックワッシャーは、オスメス2枚の組み合わせで、カチンカチンというクリック感を作るワッシャーです。
燃料を振り分けるパッキン。
左右の2個の穴(ONとRES)から出たガソリンを、センターの穴からレバー内の通路に通してキャブに落としON<>OFFします。
4個ある穴のうち2個は位置決め用です。
レバー外周のOリング。
リビルトキット。
左からレバーの外周Oリング、R69など古いタイプに使うネット(使いません)、パッキン、コックとタンク間のガスケット。
このガスケットは新車時には使われてません。
2の部品です。
ではどうして燃料漏れを防いでいるのでしょう。
これは新品のコックですが、ネットの根元に注目。
実はこれが柔らかいアルミのガスケットになってます。
一度つけるとこのように段差ができます。
つまり、コック脱着時にはストレーナーの新品交換が必須事項なのです。
しかしそこは貧乏人。
これを単品で買うのも大変なので、ストレーナーは最利用し、赤いガスケットを使うのです。
段差がなくなるまでペーパー掛け。
ここまで均せばこちら側はガスケット不要です。
組み付け時。
ただ均した面の反対側も潰れてます。この写真でナット側になる面です。
そちらも均さないといけないのですが、面積が小さいのでなかなか平面になりません。
そこでワッシャーのタンク側にガスケットを使うのです。
パッキンを交換。
レバー側の平面も出しておきます。
タンクから落ちたガソリンは、コックのパッキンに開いた2個の穴のいずれか(ONかRES)>レバー内の通路>センターの穴>キャブレターと落ちるのです。
さて、このパーツ。
先ほどの部品表では省略されてます。(たぶんレバーASSY)
こちらがメスで、内周に切りかけがあります。
もう一枚はオスで、外周に突起があります。
この4個の突起がメスの穴に勘合することで気持ちのいいカチンカチンというクリック感を生むのです。
国産車にはありませんよねー。
レバーの突起に
メスの切掛けを合わせます。
この上から4個の突起がメスの4個の穴に収まるようにオスの板を載せます。
メスの切掛けがレバーの突起からずれないように注意しながらレバーにスプリングを入れ蓋をセット。
オスの突起を本体の切掛けに合わせます。
実際は上の写真のように蓋をセットした状態で行います。
指が痛くなるほど強力なスプリングに負けないように、フタを押し込みながらねじ込みます。
マメをこさえながらも何とかねじ込めました。
カバーを付けてOHは終了。
ストレーナーとナットをセット。
ストレーナー内にはチューブ固定用の部品があるのでチューブを中に通しておきます。
コックをタンクに取り付けてナットを右回しに締めて完了です。
ただし、ガスケットが痩せてきますので数度増し締めをすること。
交換したパーツ。
まだ使える状態でした。
ついでにタンク周りのリフレッシュ。
ひだりから
タンクのリップ、タンクキャップのOリング、タンクの振れ止め(4個必要)、タンク固定用のグロメットとサークリップ、タンクのフロントマウント。
グロメットとサークリップはここのやつ。
ブロメットはサイドカバーのやつと共用です。
リップはこれ。
Oリングはここ。
これでタンク周りはバッチリです。
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