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 カルチャーセンターの懐石講座、新春の料理として、今年は「蕪と鶉丸(うずらがん)の炊き合わせ」を作りました。

蕪と鶉丸の炊き合わせ 蕪はみりんと塩を主体にした煮汁で白く炊き、うずらの挽肉は西京味噌と粉山椒を加えて団子にし、少し甘辛く炊きます。器に蕪と鶉丸を盛り合わせ、彩りには塩茹でにした蕪の葉を、煮汁でさっと温めて添えました。仕上げに針柚子を天盛りにします。

 うずらは「御吉兆(ゴキッチョー)!」と鳴くので、昔から日本では縁起の良い鳥として大切にされてきました。戦国時代には出陣前にうずらを鳴かせて縁起を担いだと言われます。万葉集にもうずらを詠み込んだ歌がありますし、掛け軸や屏風絵のモチーフにもなっています。

 古代中国では、うずらが怪鳥化して鳳凰や不死鳥になったという伝説があるそうで、ちょっとビックリ!変身しすぎでしょ!?

 もともとつがいで仲の良い鳥なので、「愛」や「平和」の象徴とされる瑞鳥(ずいちょう)です。そのため懐石料理では、新春などの祝いの席に登場する食材なのです。

 以前、愛知県農林水産課からの依頼で、愛知の郷土料理についての講座をさせていただきました。その時参加されていた豊橋市の方から、うずら肉の生産をしている東海有機(株)さんを紹介していただきましたので、今回もそのルートからうずらミンチを入手しました。

 東海有機さんのうずら肉については昨年2月のHPでも書きました。愛知県豊橋市はうずら卵の出荷数が日本一ですが、卵だけでなくうずらの肉も出荷していこうとPRに努め、販路を拡大しているのが東海有機さんです。

 うずらは卵の大きさからも解るように小さな鳥で、食肉部分は多くありません。日本のうずらは100g程度の小さな身体で、骨が多く、調理がしにくいという欠点がありました。ですから歴史が古いわりには、うずら料理は多くありません。

 それに比べてヨーロッパのうずらは肉付きが良く、200g~300gの大きさがあり、肉質も柔らかいのです。英語ではクエール、フランス語ではカイユと言い、ヨーロッパでは各地方で多彩なうずら料理が発展しました。

 昨年の冬に、東海有機さんから私のところに試作用のうずら肉が送られてきました。背開き(アジの開き状態)になったものや、腹側から内臓を抜き取った腸抜き、半身、ミンチ肉、スモークした加工品など。

 東海有機さんのうずらは独自の方法で250g程度の大きさに育て、餌に大葉(これも豊橋市の特産品)を与えて、山鳥特有の臭いを軽減する工夫をしています。このうずらの肉は「こりゃクエール」という商品名で販売しています。(おやじギャグ?)

うずらミンチ 早速私は送られたミンチで鶉丸を作りましたが、骨が一緒に砕かれているので、それがカチカチと歯に当たりました。鶏の軟骨とは違い、尖った食感なので気になりました。また、いかにも鉄分が多そうな赤色の肉からは野生っぽい臭いがしました。

 ミンチ肉に限っては、「こりゃクエール」ではなく採卵用の普通のうずらなので、特有の臭いがあったのだと後で気付きました。正直なところ、私は苦手な味でした。

 しかし自分だけで評価してはいけないので、日本料理の先生や友人たちにも食べてもらいました。先生は、「この骨の食感がうずらの特徴で、私は好きですよ」とおっしゃいました。ジビエ料理が好きな友人にも好評でしたし、好みの分かれる食材なのだと思いました。

 さて、今年1月のカルチャーセンターの講座で鶉丸を献立に入れたものの、骨の食感と野生臭をどうするかで悩みました。レクチャーで江戸時代の食用鳥類と料理法について話すつもりで、その流れとして鶉丸は外せないのですが、生徒さんが食べられなくても困ります。

 それで、うずらミンチをフードプロセッサで更に細かくすることや、半分鶏ミンチを混ぜるなどの対策を考え、東海有機さんに品物をお願いしました。すると、1年の間に随分工夫をされ、商品が進化していたのです!

 うずらミンチは、以前は「中年のメス」だったのが、「若くてピチピチのオス」の肉に変わってました。何だかそれだけでも嬉しいような?また、骨も以前より細かく砕かれ、気になるほどの歯触りはなくなっていました。

 このミンチで鶉丸を作ったら、誰が食べても美味しい料理になりました!苦手だった私でさえ美味しく食べられたので、間違いありません。懐石料理の炊き合わせは面倒かもしれませんが、鍋料理のつみれにすれば、調理も簡単です。

セクシーな?「うずらスモーク」 更に東海有機さんでは、まったく骨の食感が残らない「骨入りペースト」という商品も開発していました。2割程度加水し、特殊な機械で滑らかに挽いたものです。このペーストを使って「うずらフランク」というソーセージを作り、人気商品になっているそうです。

 また、昨年はフランス人シェフの推薦で、東京・帝国ホテルのフレンチレストランにも出荷したそうです。国産のうずら肉も輸入物に負けない大きさと美味しさが認められたのですね。ミンチ以外はまだ素人では扱いにくい感がありますが、プロから見ると魅力的な食材に違いありません。私も知り合いのシェフに紹介していこうと思います。

 昨年の今頃は鳥インフルエンザの問題があり、食鶏や卵を扱う会社はどこも大変でした。東海有機さんもそうだったでしょう。しかし現在はうずら卵や肉の出荷に加え、今年はうずらの有機肥料を使って育てた野菜の宅配サービスも始めるのこと。地元に根差した事業展開は、ついつい私も応援したくなります。

 これから全国の居酒屋や焼鳥屋で、「豊橋産うずら肉」のメニューが登場するかもしれません。幸せを呼ぶ鳥、うずらで、今年は日本全国「御吉兆(ゴキッチョー)」といきたいものです。
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 2010年2月25日発売の西三河・知多半島エリア情報誌「t×wang(ティーワン)」に出ています。同編集部発行の「ぶらりぐるり知多半島2011年版」でも仕事をしています。購入可能地域の方、良かったら見て下さい。

   t×wangホームページ  http://www.t-wang.com/

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 4月からの新連載は、下記の2本となります。

「リエのTOKYOおでかけ記」
 東京在住のリエちゃんに、フードイベントやグルメスポットへのおでかけ記録を綴っていただきます。


「ドイツ マイスター修行」
 名古屋市中村区のハム・ソーセージ店「AKITA HAM」は、ドイツ認定食肉加工マイスターのお店です。オーナー兼職人の秋田建博さんが、ドイツ修業時代のエピソードを語って下さいます。

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 愛知県の郷土料理のご紹介です。2001年4月~2002年3月まで、愛知県のタウン情報誌に掲載していた原稿のリメイク版。1年間の取材により、季節ごとに12の味を紹介しています。
2010年11月の「食育の担い手養成講座」で考案された愛知の地産料理のページも追加しました。

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 講座(lecture)は「須田先生の茶懐石講座」、知立カルチャーセンターの「懐石講座」と「和食講座」、長久手文化の家での「家庭料理講座」、また自主グループ(gruop)として「世界の料理教室」「焼きたて倶楽部のパン教室」があります。こちらのページから各講座の詳細ページへリンクしています。新規参加者募集中の講座もあります。

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