世界の宗教人口割合

資料*百科事典「ブリタニカ」年鑑2009年版
「世界の宗教人口割合」、
2008年中期の六大陸の宗教人口

 人類の五十五%以上が唯一絶対神を信じているのです。現在イスラム世界の人口が急増中ということですから、ますます増える傾向にあるのです。
 唯一絶対の神の存在のみを信じる宗教としてキリスト教、イスラム教、ユダヤ教が有名です。
シーク教(イスラムとヒンズーの混血、輪廻転生を認めるがカーストを否定))、バハーイー教(ムハンマド、キリストは勿論釈迦など世界の大宗教の創始者はみな神の啓示者とする、異端イスラム教)は多神教との混血です。
 ゾロアスター教は人類史上最古の宗教であり、ユダヤ教に始まる唯一絶対神教のルーツと言われます。
 宗教人口を正確に把握するのは不可能でしょうから、これは大方の目安でしょう。中国の伝統的な宗教と儒教、道教を別にしているのは思想性の高さによるものかもしれません。ただ重なり合っている部分も多いので調査方法で大きな増減があるでしょう。仏教人口も道教や神道とも重なり合っている部分が多いと思いますが、その分道教や神道の人口が減っているかもしれません。
コメント1


 シク教制限不二一元論のラーマヌジャの思想を受け継いでいるということです。魂の思想としてはヒンズー教に属しているというべきでしょう。諸宗教の本質は一つと言いますが、制限不二一元論では個我は創造神・ブラフマンの分身ではなく一部分に過ぎないのです。 唯一なる「神」の「思」の現れの一つに過ぎないのです。宗教を、そして魂を差別しないのが一元多神教の精神です。

 シーク教はシク教というのが正しいのかもしれません。現在のシク教徒は人間としてのグル(師匠、シク教徒にとっては法主という意味合いのようです)をもっていないということです。
 グルは創始者であるナーナクから10代続きました。10代目のグル、ゴービンド・シンクが不慮の死を遂げてから、彼の遺言によって聖典、宗教詩「グラント・サーヒブ」がグルとみなされることになったということです。シク教の歴史は波瀾万丈で、一時パンジャーブ地方に王国を形成しましたが、イギリスに滅ぼされました。

 ナーナクの思想は、唯一絶対全能の創造神がマーヤ(幻力、神の神秘な力)で世界を展開しているという世界観と、業と輪廻からの解脱、神との合一など、人生の最終目標はヒンズー教と共有しています。しかし、儀礼や学問、修行の効果、偶像崇拝を否定し、カーストも否定しています。つまり、神の前で人間はすべて平等で、人間の価値はそれぞれの行いによって決まるということです。おそらく、神が与えた仕事をまじめに、正しく行うことが神の意にかなうことであり、行いの最善なものは神への信仰ということでしょう。

 同じ無差別主義といってもバハーイー教は「神」のキリストも釈迦もモーゼも啓示者、シャーマンのようなものと考えるようです。魂の思想としては唯一絶対神教に属しているのですが、19世紀後半に誕生して進化論の影響を受けているのか、魂の差異には発達段階ということを考えているようです。ムハンマドの教えは発達段階の低い教えということでしょう。イスラム教徒が怒るわけです。

 バハーイー教の歴史は激烈な迫害の歴史と言っていいでしょう。それが現在も行われているといいます。イスラム原理主義が敵視するのは、男女平等を唱えるということもあるでしょうが、ムハンマドを最後の予言者とする信教の根幹に反しているからと思われます。バハーイー教の前身、ハーブ教の教祖が処刑されたことでは、このたびの東日本大震災の死者よりはるかに多い犠牲者を出したのでした。絶対的な権力に逆らってまで信仰を貫いたのは、そこが彼らの絶対の住処と信じたからでしょう。
(自然災害の犠牲者より、人間による犠牲者の方がはるかに多いというこの現実をあなたならどう考えますか)

宗教の違いをいかに乗り越えるかは宗教者にとって大きな問題です。しかし、これは宗教者だけの問題ではなく、人間なら誰でも考えることです。異質なものとして目を背けるのは弱く、敵として排除しようとするのは偏狭、程度の低いものとして哀れむのは傲慢といえるでしょう。

 すべてを「一なるもの」からの展開と考えるのが知的で公平な考え方といえるでしょう。シーク教徒に裕福な知識人が多いと言われるのもそのためでしょう。シク、バハーイー、両宗教が世界的な広がりを持っているのは平等・博愛主義であるとともに現実生活的だからでしょう。