風の歌
盲目で
魂の空っぽな私は
風の音がたよりです
私の空洞でこだまする
風の悲しみがそうです
誰かが私を責めます
自分の青春がないのですか
風が私の青春を
言葉にかえ
音楽にしてくれました
風よ歌え
私の怒りや悲しみを
吹き荒れる風が
私の青春の
たった一つの証なのです
自分を見なさいと
いう人がいる
あなたは自分を見ていますか
目をそらさずに
どうやってあなたは見るのでしょう
風の音が
私に悲しみを教えます
怒りや憎しみも
風が歌ってくれるから
私にはわかるのです
青春は去るものですか
青春のなくなったあなたは
いったい何ですか
あなたにとって青春とは
いったい何ですか
私が
風のまにまに
舞いあがり 流されるのを
だらしないやつだと
あなたはいう
あなたの魂には
何が入っていますか
私には風の音
ただ風の音が
鳴っています
風がやんだら
私には何もありません
盲目で愚かな私は
どうしたらいいでしょう
魂が空っぽなのです
すべてを覚ったあなた
両目を開いたあなた
魂にみちみちたあなた
生き生きとしたあなたは今
青春ですか