デスビのトラブルって何?    


まずは、今後トラブルにつながる直前の状態ともいえるデスビの見た目です。
(’97/02 5年9ヶ月、37000km時点、もちろんインターネットでの無償交換の情報を提示して無償)

    
左は、プリモのメカニックにお願いして撮影してもらったもの。
右は、メーカーへ返却される前に、ディーラーに頼んで撮影させてもらったもの。

  
白・灰色になっている回転角センサのカバーの元の色はおそらく黒色だったと思われます。
(下の新品の画像参照してね)
いたる部分の金属、特に亜鉛めっき(黄色クロメート)で保護されていたはずのネジの頭部とか、
回転角センサーのブラケットに錆の発生が認められます。
画像では見えない部分になりますが、ウォームギアと直結されている
デスビ内部にあるシャフトも真っ赤に錆ています。
また、すぐ後に述べる深刻な問題の外観も確認できます。
(クルクル回るデスビローターの中央部分に放電による錆の発生が見られます。)


   
うちの車輌についていたデスビは更に深刻な問題が発生していました。
デスビキャップの内側中央部にあるセンターカーボンと呼ばれる部品なんですが、
通常は、右の画像の様に少しだけ飛び出して、スプリング?かなにかで
つながっていて、ヒコヒコ出たり入ったりするのですが、
左の画像の取り外したデスビのキャップでは、途中で引っ掛かって固着していました。

ちょっと追加  デスビキャップ内での放電箇所が2倍に増えてしまい、
悪さ加減も2倍で進行していきます。


こっちはその時に交換された新品のデスビで、対策品と呼ばれるものです。
回転角センサーの樹脂カバーは黒色ですね。
デスビローターの形も丸い形状(裏側に6本のリブ付き)となり、
変更されています。



これは、交換1年後に対策品としての効果が
どの程度あるのかを確認したときの状態です。
メッキされたネジの頭部や、回転角センサのカバーの変色は見られません。
しかし、中央のギアから突き出しているシャフトの根元部分には赤い錆が確認できます。


で、ようやくデスビのトラブルについての説明になりますが、
熱・振動・錆の発生といった過酷な複合された条件のもとで、
デスビ内のシャフトおよびベアリングにガタが発生し、ひどくなった場合に、

デスビのボデーとシャフト間での回転抵抗の増大や
最終的には固着が発生。

デスビのシャフトに直結されたウォームギアとかみ合う
カムシャフトの回転が阻害される。

クランクシャフトよりタイミングベルトを介して駆動されるカムシャフトと、
クランクシャフトの間の回転の関係に無理が生じる。

タイミングベルトのコマ跳びとか、破断が発生。

吸気・排気バルブの開閉タイミングが正常でなくなる。

バルブのピストンとの干渉が発生。

エンジン壊れる。
といった、関係で破壊モードに突入してしまいます。


デスビの中で錆が発生するメカニズムについては、
Nishida Factory−B Unoffical HomePage の
商品案内 の デスビ・トラブルシュータ の部分で解説されています。
以下の『』内の記事を転用させていただいています。

『      <<デスビ固着メカニズム>>      
デスビの中で火花が出てNOxを発生させる。
 ↓
  NOxと水分がくっついてHNOx(ショウ酸キ)となる。
 ↓
      HNOxが金属とくっついてサビさせる。    』


インターネットでの早期の問題提示など先人の御努力により ’98.02には
「ビート、ディストリビュータ サービスキャンペーン(無料点検)のご案内」
と称する車輌メーカーによる対策品への交換のアクションがとられました。
詳しいことは、BEAT Freaks’ HomePage の
Trouble
 の ENGINE TROUBLE!! 等をご参照ください。


s−design式の対策

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