s−design式の対策

御注意
本サイトで紹介している内容を、
ご自分・お友達の車輌で実行される場合、
実施にあたっての質問・アドバイス等については、
時間の許すかぎり対応したいと考えていますが、
車輌側への穴開け等の追加工が必要となりますので、
失敗した場合の損害・施工後の不具合等について、
本ウェブ管理者は、一切の責任を負いませんので、
自己責任において実施の判断をしてください。


デスビのトラブルって何? の説明の中で、

振動錆の発生がトラブルの原因となる訳ですが、
その中の錆の発生に対し考えてみます。

点火コイルで発生した高電圧は、
各気筒のプラグに分配されるために、
デスビの内部空間で、ローターと
呼ばれる回転する中央の部品と、
デスビキャップの内側に突き出たサイド電極
(ビートの場合、3ヶ所)との間で、
放電することによって導通が取られ、
プラグへと送られます。

このデスビキャップ内での放電により、
NOxが発生し、デスビ内の水分と結合して、
酸が生じて錆の発生につながる訳ですから、
・放電させない。  
・NOxをなくす。  
・水分をなくす。  
と言った対策が有効と思われます。

とは言っても、放電をさせないというのは、
デスビを使ったシステムである以上避けられませんので、
放電によるNOxの発生を絶つことはできません。

しかし、水分と結合できないぐらいNOxが薄くなればどうでしょう?
酸の発生も起きないはずです。
そこで、デスビキャップ内の換気を積極的にすれば
良いはずだと考えました。

自分なりの対策は、このような考えに基づいています。


対策のイメージ図は、下のようにります。
(上から見たとこ)

エア・エレメントより下流の、
インテークチャンバー内に発生する
吸気による負圧を利用して、
デスビキャップ内の換気をしようとするものです。


ここで、キーとなる樹脂製ジョイント部品の形状は、こ〜んな形をしています。
(寸法値は参考まで)

広がったツバ状の部分の厚さは3mm以下(訂正)

デスビ側に用いる材質は、金属などの導電材料は不可。
耐熱性120℃以上のエンジニアリング・プラスチックが良いですね。
(ガラス入りの耐熱ナイロン・PBT等)
インテークチャンバ側は、金属でもOKです。

追加  いくらなんでも、キーの部品がイラストだけじゃいけんね
と思いまして、画像アップします。



ジョイントに転用できそうな部材の情報を追加しました。>


ホームセンター等で入手できる部品を紹介します。
コンクリートなどの床面、壁面などにネジ穴やボルトをつけるもの
(オールアンカー)を利用します。
ナイロン製はSRSタイプ。16本入で450円くらい。
金属製はステンレス製も売られています。
これを写真右のように加工して、ナイロン製はデスビキャップ側、
金属製はインテーク側に使用します。
インテーク側は、ナット2個で挟み込みます。”


以上、画像および、紹介文は
未来と明日香のBEATな出来事
k10さんよりご協力いただきました。

また、自分でもホームセンターで良さそうな部品を発見しました。

用途は、k10さんが選択された部材と、同じ用途の部材です。
”NPプラグ”で、軸の外径が 4mmと6mmが選択可能です。

いずれの場合も、中心の金属部分を取り除き
樹脂の軸の長さを適当にカットして使用します。


デスビキャップにピノキオの鼻の様に
付いている換気用の突き出しのすぐ下の位置に
φ5.3程度の穴を開け、キーとなる樹脂製ジョイントを
内径側から外側に向かって圧入し、念のため、
シール剤で、内側のスキマ(段差)を埋めておきます。
また、元の換気穴(鼻の突き出しのデスビキャップ内側)は、
これまたシール剤で内側よりふさいでおきます。
シール剤は、耐熱性等より、RTVタイプのシリコーン
接着剤を使用しました。
    
右の画像で、内径部の左側が、圧入されたジョイントの段差をシール剤で埋めた状態。
そのすぐ右上のちょっと黄白い部分が元々の換気穴を埋めた状態。



 こちらは、ほぼ中央に、エア・エレメントを取り外した
インテークチャンバに、充電式ドリルを使って開けた
樹脂製ジョイントを通すための穴です。
(ジョイントの径より少し大きい;φ5.8程度)


   
左の画像は、エンジンルームを運転席側から見た状態。
開けた穴が確認できます。
右の画像は、インテーク・チャンバ内側から樹脂製ジョイントを
挿入した状態で、左の画像に対し、
ちょこっと突き出たジョイントが判るかな?



デスビキャップとインテークチャンバを
ゴムホースでつないで出来あがりです。
スロットルケープルの可動しない部分を選んで、
タイラップなどでホースをつぶさないようにして
2ヶ所固定して置きました。
ホースの材質は、耐熱性よりシリコーンゴムを選定しました。
ホースの長さは、470mm。



こちらは、エンジンルームを助手席側から覗いた状態です。
パイプの這いまわしが最短コースをとっていないのは、
デスビキャップの脱着等を考慮したベストポジションだと考えているから。


これで、対策の説明は終わりなんですが、
ホースの抜けが発生しない限り、
デスビキャップ内の換気はバッチリだと思っています。

エンジンが回っているあいだ中、放電によるNOxの発生が
ありますが、吸気の負圧によりどんどん換気していきます。



さて、s−design式の対策をご紹介しましたが、
下に説明するチェックがデスビのコンデションの
維持に有効なので、メンテナンスハッチを開ける機会が
あれば、是非チェックしてみてください。

   

デスビキャップの内側中央部にあるセンターカーボンと呼ばれる部品が、
通常は、右の画像の様に少しだけ飛び出して、スプリング?かなにかで
つながっていて、ヒコヒコ出たり入ったりするのですが、
左の画像のように、途中で引っ掛かって固着することが
低くない確率で起こるようです。

これでは、デスビキャップ内での放電箇所が2ヶ所となり、
NOxの発生も2倍になるし、プラグへ送られるべきエネルギが、
多少なりとも消費されてしまいます。

この症状を起こしたら、ほぼ自己回復は見込めないので
早急にデスビキャップを交換することをお勧めいたします。

<参考>
キャップASSY; 30102−P36−006
価格は約1600円ぐらいだと思います。



デスビのトラブルって何?


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