2007年9月
07.09.26
木工の講師
 
    先日の新聞に一主婦のコラムが載っていた。
   地域の公民館で料理講習会の講師をしている。
   受講生は男性のお年寄りだという。
   この年代の男性は、
    ・講師の話を聞かない
    ・勝手にやる
    ・結局失敗する
   らしい。(後略)
 
  さもありなん、と我が身を振り返って苦笑した。
 
   会社勤めのときは地域とのかかわりはほとんどなかった。
  交流館(一般には「公民館」)の活動内容も知らなかった。
  定年後に多少のかかわりができた。
 
   ある交流館から、このホームページの「木工コーナー2」(休止中)のような
   作品を子供や孫用に作る講座の講師を頼まれた。3時間を2回の講座。
  自分の趣味が地域に役立つなら、と講師を引き受けた。
 
   30歳代から60歳代の男性3名、女性7名の応募があった。
  受講生には、事前に木工コーナー2の作品から抜粋した資料を配った。
  参考にしそれぞれオリジナルティのあるデザインを考えてもらい、
  それを作ってもらおうと思った。
  手作りの良さ、楽しさはそこにあるから、と。
 
   しかし、担当の職員は「自由な形でと言っても、フリーハンドで描けない人もいるから、
  型紙を用意してください」と言う。別の職員も「私ならそれだけで半日かかってしまう」。
  では、型紙を用意して使いたい人には使ってもらい、少しは自分なりにアレンジして
  もらおうと、あくまで「自分なりのオリジナリティ」にこだわった。
 
   講座の初めにそのことを説明した。
  しかし、初めての人の心理として「自由な形のもの以前に、そもそも作れるかな」という
  心配が先に立つらしく、型紙を使いそのままを作る人のほうが多かった。
  (クルマより馬が多かった。「カワイイ」とのこと。)
 
   前述の料理講座の、・講師の話を聞かない ・勝手にやる ・結局失敗する は
  幸いなかったが、車軸の長さが長いまま両端にタイヤを接着した人が数名いた。
  これは講師の説明が十分でなかったためだった。
 
   講師を体験してみて、
  ・初心者にいきなりオリジナリティを要求しない、
  ・説明はもれなく、懇切丁寧にする、
  ことが大事と分かった。
 
   それでも全員完成させることができ、喜んでくれたことがうれしかった。
  機会があればまたやってみようと思っている。
  たび重ねれば「講師」も少しはうまくなるだろう。

 
  
07.09.24
吾亦紅
 
   最近、すぎもとまさとが歌う、母に捧げる哀悼歌「吾亦紅(われもこう)」
  ヒットしている。
 

   ひとり、母の墓参りに訪れた中年男性が母に向かって詫び、あらためて
  感謝するとともに人生をやり直すことを告げる、モノローグ(ひとり語り)の
  内容。
  団塊の世代の人たちを中心に、これまで生きてきた自分と向き合うことが
  出来る感動的な作品。
  亡き母に今の自分の思いを切々と語るちあき哲也の詞は秀逸。
  物悲しい曲調のフォークソング。
   (以上、関連サイトから)
 
    これが、以前に書いた「母へのお詫び」と一脈相通ずるところがある。
   シチュエーションもそうだが、歌詞も、   
    ・・・・
    あなたにあなたに 謝りたくて
    山すその秋 ひとり会いに来た
    ただあなたに 謝りたくて
    ・・・・
    あなたはあなたは 家族も遠く
    気強く寂しさに堪えた
    ・・・
    あなたにあなたに 見ていてほしい
    髪に白髪が 混じり始めても
    俺、死ぬまであなたの子供・・・・
 
  と符合する部分が多くある。
   それだけに、すぎもとまさとの高音が切ない歌い方とともに共感が大きく、
  聞くたびに涙がにじむ。

 
07.09.14
検索結果を
 
    TVのコマーシャルで思うこと。
  
   最近、コマーシャルの最後に、
  「詳しくはホームページで」という音声とともに

  
 検索を促すのがはやっている。
   
   しかし、これを見て実際にインターネットで検索する人はあまりいないと思う。
   
 そこで、この映像の後に検索結果のホームページ(のトップページまたは
   見てほしいページ)を出せばよいのに
、と思う。
   ホンの瞬間でも映せば、見た人は「あ、ステキナホームページだ」とか「知りたい
   ことが載っていそう」と本当に検索してみるだろうに。
 
   コマーシャル作成者とスポンサーは現在そこまで気づいていないようだが、
   そのうち気づくだろうと思っている。
   
07.09.10
ハワイの
陽光
 
   映画「Life 天国で君に逢えたら」を見た。
  プロのウインドサーファーが余命3か月の肝細胞がんになり、
  しかし、死を目の前にしても、家族や友人に支えられ、
  残された日々を前向きに生き続けていく――。
 

   ストーリーとは別のところで気づいたことがある。
 
   ウインドサーファーが活躍する場所はハワイだが、病気は日本で治療。
  ハワイのシーンと日本のシーンが交互に映ると画面の明るさが明らかに
  異なる。同じ晴れの日の戸外でも、ハワイの陽光燦燦のシーンが映ったあと、
  日本(太平洋側のどこかだが)のシーンが映ると何となく暗い。
 
  「周り全体が明るいということはいいなぁ」とうらやましく思った。
 
   ところが、翌日の朝、新聞の特集版の写真を見た瞬間、
  「お、こりゃいいな」と思った。
  田舎の夕暮れの静かなたたずまい。明るくはないがいい。
 

07年9月8日
朝日新聞から
 
   人の気持ちは勝手なものである。
 
  と、結論付けて納得していた。
  今日映画評論のサイトの「Life・・]を見たら、
  「主人公の大沢、妻役の伊東のまともな演技が光る良作。
  日本、ハワイの風景の色合いをくっきりと分け、陰々滅々な話に
  なっていないのがいい。」
 
  何だ、明るさの違いは演出なのか。
 
07.09.06
伊勢湾岸
自動車道
 
   伊勢湾岸自動車道が、私の木工作業所南側50メートルくらいを走っている。
  まだ基礎部分の工事中のときの話。
 
  現場監督らしき中年のおやじが、それこそ一日中工事人夫を口を極めて
  ののしっているのが聞こえてくる。
  「何をやっとるんだっッ」 「そんなことも知らんのかッ」
  「もっと早くやらんかッ」 「コラッ、お前なんかクニへ帰れッ」・・・・
  人夫たちは慣れているのか口応えもせず、黙々と作業をしていた。
 
   こちらはそういう連続的な怒鳴り声に慣れていないので、聞くに堪えない。
  落ち着いて木工仕事ができない。
 
   そんなことが何日か続いたある日。
  工事担当の、道路公団と請負ゼネコンの現場責任者が一緒に、作業服、
  ヘルメット姿で”地域住民の方への工事の進行状況説明です”と資料を
  持って訪ねてきた。
 
   道路公団の人は30歳代後半の土木技術者風、ゼネコンの人は40歳前後の
  少し太った出張所長風。ふたりとも、いかにもインテリだが腰が低い。
  説明の終わりに「ご意見、ご希望はありませんか」という。
  よい機会だと思い、
   「あなた達は地域住民にずいぶん気を使っているようだが、
   現場監督が一日中怒鳴っているのを知っているのか。
   あの怒鳴り声は住民として、動力機械が出す工事騒音より神経にさわる。
   それにあんなに怒鳴っては、下請け(?)の人夫がかわいそうではないか。
   あの現場監督は、監督・指導とは何かを勘違いしているのではないか。
   あなた達は知っているのなら、キチンと管理しなくてはいけない」
  と言った。
 
   道路公団が”あんたの方の問題だ”というようにゼネコン所長を見る。
  ゼネコン所長は「申し訳ありません」と太った体を折る。
  「すぐに処置します」
 
   所長は、おそらく年上であろう現場監督に「住民が迷惑している」とでも
  言ったのだと思う。翌日から静かになった。
  あの男の顔を覚えていないので、怒鳴らなくなったのか、配置換えになったのかは
  分からないが、以来、とにかく心穏やかに木工仕事ができるようになった。
 
   昨今は、工事に際して事業者は住民に随分気を遣うようになったが
  怒鳴り声による迷惑防止までは気が回らなかったようだ。
 
07.09.02
ミツバチの気持ち
 
   雨があがったので、伸びた生垣を切ることにした。
  刈り込みハサミで、上の方に伸びている枝を切ろうとして背伸びしたら
  花が顔に当たり、ひとつの花の中に溜まっていた雨が口の中へ入った。
    

ノウゼンカズラ
 
  甘い。さわやかな甘さだ。
  ミツバチの気持ちが分かった気がした。
  もうひとつの花の水も飲んでみた。
  やはり甘い。
 
   30分後急に眠くなった。
  花のしずくのためかどうかは分からない。
  今度雨が降ったら、もういちどやってみようかと思案している。
 
気まぐれダイアリー

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