「今日はなんぞあったか?」
「初詣に行ってきた。1年ぶりだ」
「ま、普通1年ぶりやわな。で、何を願うて来たんや?」
「この1年、幸せにさせてくれ、と神に頼んできた」
「そういえば昨日、そんなようなことを言うてたな」
「力一杯、全身で祈ってきたが、通じたかどうか」
「ま、無理やろな。いちいちみんなの願いを訊いてたら、神サマも体がもたん」
「でもな、光が見えた」
「何? 光?」
「そうだ。願いを捧げたあと、目をあけた途端、光線が目の前をサッと走ったのだ」
「それは立ちくらみやろ」
「違う! ずっと立ってた」
「じゃ、誰かに後ろから頭をどつかれたとか?」
「そんなんじゃない。特別な光だ」
「特別な光? 何処かの怪しい宗教みたいやな。最近、壺を買ったりとかしてないか?」
「本当に見たのだ。恐らく、あれは神の降臨に違いない」
「降臨ね〜。単なる錯覚のような気がするんやけどな」
「いや、錯覚ではない。間違いなく本物だ。あの光のお陰で、今年はいい年になるに違いない」
「ま、そう思えたんならええのとちゃうか?」
「ああ。幸せが、本当に訪れる予感が生まれた。あとはその日を待てばいい」
「その日を迎えたら教えてくれ。ほなまた」
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