死ぬんだ
曇った日だった
広い野原だった
背の低い草木がひっついていたのは
青白い水が
じわりじわりと
たくさん見えた
されこうべみたいだった
黒くぐしゃぐしゃだった
葉っ片だらけの木を
ひっこ抜いたら
膿がどくっとふいた
どくっと どくっと
地底に通じる穴のようだった
恐ろしくなってあたりを見たら
空は気味悪い顔を撫でていた
草木も潰れそうにパサリと笑っている
崩れそうな空気だ
空はその腐った胸に
埋め込むつもりらしい
あゝなんていやな穴なんだろう
まるで毒虫を撫でているようだ
ばかにぬらぬらする
腕をつたって 胸まで
どくどくと浸しているようだ
首筋から頭で冷たくなってきた
おやどうしたんだ
いやにぐちゃぐちゃするな
どうも尻の方へなにかが
這い上がってくるような気がする
うっ どうしたんだ
ズブズブ沈んでゆくぞ
何かつかまるものないか あったぞ
なんだこれサクッと壊れちゃったぞ
こりゃ骨じゃないか
顎の骨じゃないか
なんだ死ぬのか
なーんだ ハハハハ・・・・・・