暗黒の絶壁
とある絶壁がある
中途 私はつきでた岩道の上
あたりは洞窟の闇
遠望 暗い光があたる
とつぜん道が崩れた
私の憎むべき敵が 絶叫し
垂直な壁の奈落の底へ
くらいこまれた 消えていた
君たち見たろう
私は残った
わずかなカケラの上に
わずかなカケラの上を渡る
私は喜びながら渡るだろうか
諸君なんと快適ではないか
なんといい気味だと
あゝしかし
なんと重く苦しいことか
私は永遠に カケラを
神経をはりつめて
渡ってゆかねばならないのだ
たえずのしかかる
暗黒の岩
闇が私を追う
私の皮膚を焼くような
激しい亀裂音
天からも 地からも
君たち見えるだろう