ウェザーステーションとは直接関係ありませんが、APRSネタということで....


TNC−223の部 プロローグ

しばらく前の事になります。
特に必要に迫られていた訳でもなかったのですが、“少し手を入れて動けばラッキー”的な考えで、『PWR・DCD・PTT・MBDランプ点灯したままで不動』のTNC-223をオークションで入手しました。
届いたTNCは電源を入れるとPWR・DCD・PTT・MBDランプが点灯したままで、一目でおかしいとわかる状態でした。

早速分解して液漏れの跡らしきものがあるコンデンサと、念のためリセット回路関連のコンデンサを取替えしましたが、状況に変化なし。
一通りICのピンに半田コテをあててみましたが変化無し。

取説も回路図も無かったので、素直に諦めて押入れ行きになっていました。



TNC-223修理の記録


TNC-223-1.JPG - 18,429BYTES

そして最近見つけたのが、JM7MUUさんのホームページ YochiWikiPlus!TNC-223修理記! なんと回路図もある!!
再びメラメラと修理の意欲が湧いてきました。

オシロがあればクロックや各信号の確認が楽なのですが、頼りになるのはテスターのみ。
押入れからTNC-223を引っ張り出してきて、面実装のコンデンサは信頼性が低そうなので、とりあえず全部交換してみました。

→そして、ちょっと期待して電源を入れてみましたが・・・・ 変化無し。(しょぼーん)


落ち込んでいても仕方ないので、TNC-223修理記を参考に原因の切り分けを進めていきます。


原因の切り分け

電源電圧異常なし
±8V生成回路異常なし。
クロックの発振を確認したいところですが、オシロが無いので正常な事を祈るだけ....
ROMのチェックのため、20年前に自作したTNC-2にTNC-223のROMを挿してみると… 動く。
RTCが無いのでRTCのチェックで引っかかりますが、ROMは生きているようです。

逆に、TNC-223にTNC-2のROMを挿してみると… PWR・DCD・PTT・MBDランプが点灯したままで変わらず。
やっぱりCPUが動いていないのか?

ここで気づいたのが、今まで不動品と決め付けていたので一度もパソコンに接続していない…  ダメ元でパソコンに接続してみると、

TASCO Packet Radio

TASCO Packet Radio

TASCO Packet Radio

おぉ、
一行目だけを延々と繰り返し表示し続けています。

 こいつ生きとる、動こうとしとる!!

MUUさんのページのTNC-223はパターンの断線が原因だったようですが、もしかしたらこいつもどこかが断線しているのかも。
途中まで動いているって事は、アドレスバスかデータバスのどこかが断線している可能性が高いと勝手に判断。
この細くて裏表へスルーホールで飛びまくっているパターンを目視で追うのは無理なので、テスターを頼りにCPU〜RAM〜ROMのラインを1本ずつ確認する事にしました。

アドレスバス…A0〜A15異常なし
  データバス…D0〜D6異常なし D7は・・・ CPU〜RAMはOK けどROMのD7に導通が無い!!!


状況が変わった

ROMのD7にジャンパー線を飛ばしてやって、電源を入れると・・・・
状況が変わった。

bbRAM loaded with defaults
A

TASCO Packet Radio TNC-223
AX.25 Level 2 Version 2.0
message board Ver 1.28RJ
Release 31-Oct-91
Checksum $64

Clock scanned, failed!

コマンドこそ受け付けてくれませんが、少し前進です。

Clock scanned, failed! のメッセージはRTCに異常があるようです・・・ 回路図のRTC関連の回路を追っていくと、JP5のジャンパーの位置がデフォルトと違っていたので元に戻しました。 闇雲にいじってる時に変えてしまっていたようです。


動いた!

ジャンパーの設定を戻して電源を入れると

bbRAM loaded with defaults
A

TASCO Packet Radio TNC-223
AX.25 Level 2 Version 2.0
message board Ver 1.28RJ
Release 31-Oct-91
Checksum $64
cmd:

動きました。
パソコンからのコマンドにも反応してくれますし、無線機に接続するとパケットもデコードしてくれます。
送信もOK

さて、
とりあえずは動くようにはなりましたが、よ〜〜く観察するとDCDランプが点かない。

調べると74HC273からLEDへ行っているラインが断線していたのと、同じく74HC273のCLRへ接続されているはずのラインが断線していたり で、ジャンパー線を飛ばしてやったら無事点灯するようになりました。

そんなこんなで、こんな感じで(汚い配線で恥ずかしい)ジャンパーが飛んでいますが、一応動くようになりました。

TNC-223-2.JPG - 18,429BYTES


疑問点?

でも、不具合なのか仕様なのかわからないのが次の2点

◇MBDランプが点灯したまま。
メッセージボードと連動しているのだろうと想像できるが、バックアップの電池も外してあるのでメッセージも何もないはず。 消えててもいいと思うのだが?
その後のテストで、外部からメッセージボードにコネクトすると、TNCがハングアップする事が判明。メッセージボードで使用しているEXP-RAM BLOCKあたりが怪しそうな感じ。
UI-DIGIのROMに差し替えると問題なく動くようなので、いよいよEXP-RAM BLOCKの問題が濃厚。 いまさらメッセージボードは使わないので、大きな問題ではないという考え方もできる。
◇裏面パネルのリセットスイッチを押しても何も反応無し
私のリセットのイメージはTNCが再起動する事を想像していましたが、何も反応無いのはなぜ???
まだ他にも断線している箇所があるかもしれませんし、他の不具合を抱えているのかもしれません。
とりあえず動くようになったので、様子を見ながら探っていきたいと思います。



謝辞

何はともあれ、諦めていたTNCが動くようになって感激です。

回路図や、修理記を公開していただいたJM7MUUさんとホームページに感謝!感謝!です。