測量・登記

家を建て替えたり,あるいは新しく塀や垣根をつくろうとしたときに、土地の境界がはっきりせず、隣近所の方と争いになることがあります。
このようなトラブルのほとんどは土地の境界を明確に示す境界標が設置してあれば防ぐことができます

CASE:1

お隣さんがこちらに何の相談もなく境界に垣根をつくった。
しかしどう見ても斜めに曲がり自身の敷地に食い込んでいるように思える。お隣さんにそのことを申し入れたが、お隣は一向に聞き入れてくれない。
こんなことになるなら境界標を入れておけばよかった・・・。

 

 人にはうっかりとか勘違いということがあります。
お隣さんがわざと越境したと考えるのは得策ではありません。
自分が勘違いしてる場合もあるんですから…。
土地家屋調査士は、地図や公図、地積測量図、換地図等の資料、そして、現地の測量成果を照らし合わせ、土地の境界を確認します。
資料を提示し、きちんとした説明をさせていただきます。

 

 

CASE:2

お父さん達が健在な頃には、お互いにどこが境界なのかをわかっていたらしく争いもなかったが、
お父さん達が亡くなり息子達の代になったら、お隣同士で境界争いになってしまった。
お父さん達の頃に境界をはっきりとしておいてくれたら、こんな争いはしなくてすんだのに・・・。

 

 嫌な言葉ですが「負の財産」というものがあります。
借金だけでなく「争いの種」という意味も含むのではないでしょうか?
もちろん、お父さん達はそんなつもりはないでしょう。子供達の為と思い残してくれたものに違いありません。でもお父さん達の思いとは違う形で相続されてしまうのは残念なことですね。          
ぜひ、きちんとした形で残してあげて欲しいと思います。

 

 

CASE:3

ずいぶん昔、お隣さんが車を買った際、駐車スペースがないというので敷地の一部を
使わせてあげた。が、最近その駐車スペースを自分の敷地と勘違いしているのか、
こちらになんの断りも無く木を植えてしまった・・・。
土地を取られてしまうのか?どうしよう。

 

 一言で境界といっても、実は2種類あるんです。 「所有権界」「筆界」です。

所有権界(私法上の境界)

土地の所有権の範囲を意味するものであり、隣接する土地の所有者間の合意で自由に決めることができる所有権の土地に対する境目のこと。

 

筆界(公法上の境界)

土地登記簿上の土地の個数の単位で、地番を付されて区画されたもの同士の境目を意味するもの(筆)であり、隣接する土地の所有者間の合意で自由に決めることができないものであり、租税その他の公的権力の支配権が及ぶ範囲の土地に対する境目

2種類の境界のうち、土地家屋調査士が扱うのは「筆界」です。

 

 このケースの場合、お隣の所有権がどこまで及ぶのかということが問題になってくると思いますが、それは残念ながら土地家屋調査士が介入できない問題です。ですが、「筆界」をきちんとすることによって、お隣さんに対し越境していることを認識してもらうことはできます。その上で、所有権の範囲を話し合うといいかもしれませんね。

 

 

CASE:4

土地の一部を売ろうと測量を頼んだが、お隣さんが境界の立会いに応じてくれない。
どうやら、以前からうちの騒音が気になっていて、私達家族に対して悪い感情を抱いているようだ。
このままでは土地を売ることができず困っています。

 

 境界の確認の際、どれだけ資料を提示しても、説明しても納得してもらえない人がいます。
でも、本当にその人が境界に関して納得していないかというと、実はそうではない場合が多いのです。長年にわたるご近所付き合いの中で、どうしても心に引っかかってしまう出来事がひとつふたつあるのは別に珍しいことではありません。
お隣にご迷惑をかけ続けていたとわかったのなら(大人になるにつれて、頭を下げるという行為はなぜか難しくなりますが)この機会に誠意を持って対応してみましょう。
お隣さんに多少なりとも時間と手間をとらせてしまうのは事実なんですから・・・。
もちろん、私もお手伝いさせていただきます。
土地が広く価格も安かった昔は、境界が多少ずれてもあまり気にしなかったでしょうが、
今は1cm違っていただけでも数十万円もの価格の違いになってしまう場合があります。
だから土地境界をめぐるトラブルが多いんですね。その上、お金の問題だけでなく、土地や建物にはそこに住む人の思いがあります。両親が残してくれた大切な財産であり、コツコツ働いて貯めたお金で買った念願の宝物だったりします。